3D CAD推進の課題は何か? モレなく、ダブりなく正しく全体像をつかむ方法:設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(4)(1/2 ページ)
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第4回では、聞き取り調査で抽出した「問題」から「課題」を見つけ出すための手法について解説する。
ヒアリングを行うことによって、さまざまな「問題」があることが分かりました。今回は、聞き取り調査で抽出した問題から、「課題」を見つけていく作業を行います。
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その際に使われる手法・考え方に、「MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)」というものがあります。「ミーシー」や「ミッシー」などと発音されますが、日本語にあえて訳すと、「モレなく/ダブりなく」といった表現になります。
筆者はプロジェクトマネジメントを学ぶ中で、この考え方について学習しました。MECEは「ロジカルシンキング」を実践する上で、非常に重要な役割を担います。もっと簡単に言えば、MECEはロジカルシンキングを行うために必要な「スキル(実践する上での知識とその技能)」ということになります。
また新たな用語が登場しましたが、“ロジカルシンキング(Logical Thinking)”とは、そのまま日本語訳すれば「論理的思考」になってしまいますが、これではよく分かりません。一般的に何か問題を解決しようとする際、“単純に考えるだけ”ではその課題は見つかりません。問題とは、さまざまな要因により複雑化していることがよくあります。筆者はそのような問題の要因を分析する作業や、課題を明らかにしていく過程において、その問題を考える人以外の人、すなわち“誰にでも分かる”ように、考えを整理して表現していく方法を、ロジカルシンキングだと捉えています。
なお、ロジカルシンキングのスキルに関しては、次のようなものもあります。
- ロジックツリー
- PDCA
- As-is、To-be
モレ/ダブリの状態を整理し、全体像を正しく捉えるには?
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