製造現場のダウンタイムを削減するアジャイルマニュファクチャリングの概念実証を発表:アクセンチュア/ダッソー・システムズ
アクセンチュアとダッソー・システムズは、重機産業や航空機産業において、デジタルテクノロジーの活用による効率化やアジャイルマニュファクチャリングを実現するための概念実証について発表した。
アクセンチュアとダッソー・システムズは2016年4月、重機産業や航空機産業において、デジタルテクノロジーの活用による効率化やアジャイルマニュファクチャリング(俊敏性に富んだ製造体制)を実現するための概念実証について発表した。
同ソリューションは、構成管理における柔軟性向上や各地域の工場における生産のパーソナル化、メンテナンスサービスの実現を支援するもの。自社の生産プロセスにおける柔軟性を高め、生産ライン上の問題や部品の欠品、設計上の修正といった予期せぬ事態に対処していくための解決策を模索している企業に貢献できるという。
現在両社は、産業機械メーカーの中でも“非繰り返し生産”を行う企業向けに、エンジニアリングと製造現場をデジタルテクノロジーでつなぐ、3段階のアジャイルマニュファクチャリングソリューションの構築と実装に取り組んでいる。
その第1段階では、電車、航空機、掘削機といった製品の製造過程における理論的な組み立て順序を規定。第2段階では、製造現場における各作業員の業務計画やスケジュールを高速で策定・最適化し、さらに再検証するための支援を実施。そして、第3段階では、各作業員のスケジュールをデジタルディスプレイに表示し、各作業員が現場で参照できるようにする。なお各段階では、ダッソー・システムズのソリューションを活用しているという。
同ソリューションは、紙ベースで製造プロセスを管理するのではなく、エンジニアリング部門と製造現場をデジタルテクノロジーでつなぐことで、リアルタイムに製造や組み立てのスケジュール変更を可能にする。そして同時に、企業はこうした製造や組み立てスケジュールの変更による影響やリスクを事前に評価することができる。これにより、製造現場のダウンタイムを大幅に削減でき、俊敏性に富んだ製造プロセスを実現できるとしている。
今回の取り組みについて、ダッソー・システムズは次のようにコメントを寄せている。「Industrial Internet of Thingsやその他のデジタルコンセプトによって、製造業は、生産性が高くコスト効率に優れた持続可能な製造プロセスを実現でき、消費者に優れた顧客体験を提供できるようになる。当社は、エクスペリエンスの時代におけるアジャイルマニュファクチャリングの確立を推進するため、アクセンチュアとの協業を長期にわたって継続している。当社が有するバーチャルマニュファクチャリングオペレーションやデータ管理アプリケーションにおける高度な専門知識と、アクセンチュアが有するシステムインテグレーションサービスやBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、チェンジマネジメント、再配置計画策定における豊富な実績とノウハウを組み合わせ、顧客の変革に貢献していきたい」。
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