大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intelに追い打ちをかける「Raptor Lake」クラッシュ問題 根本原因はいまだ不明(1/4 ページ)
Intelが「Raptor Lake」のクラッシュ問題の対応に追われている。2024年春ごろに露呈し始めたこの問題、実はいまだに根本原因は解明されていない。業績悪化や人員削減など、最近はあまり明るい話題がないIntelだが、クラッシュ問題がそれに追い打ちをかけている。
「Raptor Lake」のクラッシュ問題
2024年7月はいろいろなニュースがあった。NVIDIAが業績で独走する一方で、ビジネス的に苦しい戦いを強いられているTraining向けAIプロセッサベンダーであったGraphcoreがソフトバンクグループに買収された話とか、国内AI関連Startupとして勢いのあった一社だったはずのLeapMindが7月いっぱいで解散した話なども結構なニュースであるが、全世界的に話題になった話として、Intelの「Raptor Lake」のトラブルにまつわる話をご紹介したいと思う。
そもそもの発端は恐らく2024年4月頃であるかと思う。実はRaptor Lake/Raptor Lake Refresh、つまり第13/14世代の「Core i9/i7」プロセッサのうち、倍率変更が可能なK SKUと呼ばれるトップエンド製品に関して、ゲームなどで利用していると煩雑にクラッシュするという報告がぼちぼち上がっていた。もっと正確に言うと、「一度クラッシュすると何をやっても回復しない」という話である。Sebastian Castellanos氏の4月6日のPostによれば、2023年12月位からこうした報告が寄せられていたようだ。
この時点で、こうした問題が第13/14世代のCore i9/i7プロセッサの、しかもK SKUに集中しているという話がユーザーの間ではほぼ確定していた。ただそれをIntelの窓口に伝えても、せいぜいが保証に従って交換プロセスが行われるだけの話で、それ以上には進まなかったというのが実情であった。ただこうした話が個々のユーザーだけでなく、大口の企業ユーザーからも寄せられるようになってくると、Intelとしてもちゃんと調査の必要があると理解したのだろう。Videocardzの4月8日の記事がZDNET Koreaの記事を引用する形で、「鉄拳8」が動作中に"not enough video memory"のエラーを吐いて終了する問題についてIntelが調査を始めたことを報じたが、この時点で他にもさまざまなゲームで問題が発生し、一度発生するとOSのインストールからやり直しても回復しない事が報じられていた。
ただこの時点ではまだ大きな話題にはなっていなかったと思うのだが、4月27日にドイツigor's LABがこの問題に対するIntelからのコメントを公開した事で大騒ぎになった。悪い事にこの時点では、まだIntelも何が問題なのかについて判断できていなかった。というよりも、何が起きているのかそのものを理解できていなかったというべきだろうか。この手の話では、まずは故障したCPUを集めて解析するところから始める訳で、多分この4月の時点ではある程度の数の解析が行われ、異常動作する直接的な原因は大体見えていたのだろう。4月27日におけるIntelのメッセージは、要するにOC(オーバークロック)のやり過ぎで回路が損傷したのと同じ状況を想定したものであり、それに向けて「取りあえず、むちゃなOCはやめて、Intelが提供する動作保証範囲内で使ってください」というものである。これにはちょっと説明が必要だろう。
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