大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
DRAMとNANDの「二刀流」目指す? 中国2大メモリメーカーの思惑とは(3/3 ページ)
お互いが「ロールモデル」に?
ただ、ではこうしたトップ3~4社に追い付くために、それぞれDRAM/NANDフラッシュの技術だけを磨いていればいいのか?というと、やはりCXMT/YMTCともに、今後さらに成長をしていくには一本足打法のままでは心元ないと感じているのだろう。そして、CXMTとYMTCがお互いにロールモデルになり得るという、ちょっと面白い状況にある。ご存じのように現在、先端的な半導体製造装置、特にEUV Stepperだけでなく高精度なDUV Stepperも輸出規制が掛かっており、これが両社共に今後の開発のネックになっている。ただそうした状況でも、YMTCは300層を超える3D NANDフラッシュを製造できたし、CXMTは第4世代に相当する16nmプロセスを利用してDDR5-8000やLPDDR5x-10667の製品発表を行っている。つまり両社共に、現状の製造装置をかき集めればここまで行ける、という指標が示されている訳で、あとは開発を頑張れば良いだけだ。うまくいけば、同等の製品を製造できるかもしれないし、そこまで行かなくてもたどり着くために努力した技術開発は後に役立つだろう。
実はキオクシアも同種の事を行っている。キオクシアはSK Hynixと共同でIGZOベースの3D DRAMを「OCTRAM」という名称で開発しており、2024年のIEDMなどで■https://www.kioxia.com/ja-jp/about/news/2024/20241210-1.html□発表している■。目の前のマーケットだけでなく、もっと先のマーケットまで見据えると、単にDRAMなりNANDフラッシュ専業だけでは立ち行かなくなるとCXMTやYMTCも感じているのかもしれない。両社とも、それぞれNANDフラッシュ/DRAMの技術を持つベンチャー企業と提携するなどで核となる技術の入手に余念がないし、EETimesの報道だとYMTCの方は既に初期サンプルの顧客への提供を開始したとしている。
合併の可能性は低いが……
傍から見れば「んじゃ両社が合併すれば?」とか思わなくもないが、CMXTは安徽省合肥市から、YMTCは湖北省武漢市からの支援を受けて成長しており、合併とかになるとこの地方政府同士の戦いになるから、まず実現しないだろう。ただ競争相手がいるという事は、それだけ切磋琢磨につながるという事でもある。そう考えると、それほど遠くない未来に中国に総合メモリメーカーが2社誕生する、という可能性も低くは無いのかもしれない。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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