大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
ams OSRAMが繰り出す「攻めの一手」 マイクロLEDで狙う新天地(3/3 ページ)
Avicena Techと協業しているams OSRAM
さてこれがams OSRAMと何の関係がある?という話だが、実はAvicena Techは2023年にams OSRAMと、このMicroLEDベースの送受信チップの量産に関してパートナー契約を結んでいる。ただし、この時ams OSRAMはまだApple向けのMicroLED工場を建設する計画を遂行している真っ最中で、この工場を利用しての製造をもくろんでいたのだろうと考えると、この計画がどうなるのかちょっと疑問だった。だが、冒頭で示したようにams OSRAMはこのAvicena techとの契約を足掛かりに、MicroLEDの新たなマーケットを創出する事を狙っているようだ。blogエントリには図2のような模式図まで示されており、図1と見比べると同じテクノロジーベースであることが良く分かる。ちなみにUBSは2030年までのMicroLED ArrayのTAM(Total Addressable Market)を5億~10億米ドル、ams OSRAMの売上機会を4000万~6億4000万ユーロと見積もっている。4000万~6億4000万(ユーロ)は随分幅があるというか、推定になっていない気もしなくはないが、それだけ不確定要素が多いということだろう。ams OSRAMの2025年度の売上高は33億2300万ユーロだから、4000万ユーロだとちょっと少なすぎるが、6億4000万ユーロなら立派に会社を支える柱になり得る。
ちなみにMicroLEDに注目しているのはAvicena Techとams OSRAMだけではない。Microsoftは2025年のSIGCOMMで"MOSAIC: Breaking the Optics versus Copper Trade-off with a Wide-and-Slow Architecture and MicroLEDs"という論文を発表しているが、ことし(2026年)3月にMediaTekがMicrosoftと共同でこのMOSAICに基づくActive MicroLED Cableを開発する事を発表しているし、同じくことし3月にMarvell TechnologyはMojo Visionと共同でMicroLEDベースのOptical Interconnectを開発する事を明らかにしている。これに先立つ2026年1月、PlayNitrideとBrillinkも次世代Photonic InterconnectをMicroLEDベースで開発すると表明した。4月にはEnnnostarが、AUOおよびTyntekと共同でAI Datacenter向けMicroLEDベースのOptical Interconnectを開発すると発表している。もうなんか2026年に入ってからMicroLEDベースのInterconnectの開発が相次いでいる訳だ。各社とも、まずはActive Cableの代替とかから始まって、次にBoard間の接続。最後はChip間の接続とか、Chip内のComponent同士の接続にも使えると言った形で、既存の銅配線ベースの電気信号の置き換えを示している。この中でAvicena Tech+ams OSRAMは今のところ他社より若干先を行っている格好ではあるが、さてこれでams OSRAMのMicroLEDビジネスは建て直しができるだろうか?
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