大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intel復活なるか、見え始めた兆し(3/3 ページ)
ファウンドリー部門の存在が鍵に
IntelのAMDに対する強みとして挙げられるのはファウンドリー部門の存在だろう。まだ赤字が続いている状況ではある(図2)ものの、確実に赤字は減りつつある。そしてIntel 18Aは無事に大量生産(HVM:High Volume Manufacturing)段階に入った。加えて、2026年7月13日にはアイルランドの「Fab 34」に50億ユーロを投じて施設拡張を行う事を発表した。
これは要するにIntel 18Aに加えてIntel 3の製造能力を引き上げるという話で、単にIntel FoundryだけでなくIntel Productsの製造能力の引き上げにもつながる。AMDの場合はTSMCに生産委託を行っているファブレスだから、TSMCの製造能力以上に生産することは出来ないし、だからこそある程度以上の売り上げにはならない。グラフ2でClient向けがIntelよりだいぶ売り上げが少ないのは、生産されるダイをData Center向けに優先的に振り分けているため、これ以上製品を用意できないという側面も強い。
ところがIntelは自社でこれを生産できる。現在Core Ultraシリーズはチップレット構成になっており、一部のチップレットはTSMCに製造委託を行っているが、今後Intel 3の製造能力向上や製造コスト低減を図ることができれば、こうした製造委託に出しているものを自社生産に切り替えることで、よりコスト低減を図ることも可能になるだろう。そしてIntel 14Aが順調に量産に入れれば、TSMCのA16あるいはA14の取り合いになっているAMDやNVIDIA/Arm/Qualcommなどの競合メーカーを尻目に、十分な量のData Center向けCPUを供給できる状況が整う可能性すらある。
もちろん、これはあくまで可能性の話で、それを実現するためにはまだ幾つかの関門を乗り越える必要はあるだろうが、それでもIntelが復調するための道筋が見え始めているのは事実だ。1年前まではその道筋すら見えなかった事を考えると、Intelは一番つらい時期を乗り越えかかっているのではないか?という気がする。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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