大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intel復活なるか、見え始めた兆し(2/3 ページ)
AMDにサーバ向け市場のシェアを奪われ続けていたが……
ただ、もう少し正確に状況を説明すれば「2023年以降、高性能サーバ向けCPUのマーケットはAMDに奪われ続けており、Intelのハイエンド製品は伸び悩んでいた。ところがAgentic AIのマーケットの突発的な興隆により、こうしたAgentic AI向けの高性能CPU向けのマーケットがAMDだけで賄いきれなくなっており、Intelにも販売機会が訪れた結果、急速に業績が回復した」という事かと思われる。そのAMDの業績がグラフ2である。
ちなみに2021年に関しては、Data CenterとEmbeddedが一緒に計上されている関係で少し金額が変になっている(2022年に入って分離された結果、急に売り上げが落ちているように見えている)。AMDの場合、2023年まではClient(Ryzen CPU)+Gaming(RADEON GPU)が稼ぎ頭だったのが、2024年以降はData Centerが稼ぎ頭になっているのが明確に分かる。2025年第2四半期のみ急に業績が悪くなっているが、これは中国向けに開発していたInstinct MI308というGPUが米政府の禁輸措置を受けて破棄せざるを得ず、これに伴い8億米ドルの償却を行った事に起因するもので、一過性の出来事である。ただ2023年の第3四半期あたりからAMDのData Center向け(EPYC CPU+Instinct GPU)の売上高が急速に伸びているのは明確に分かる。
グラフ1と2では縦軸が異なるので、両方をまとめて比較したのがグラフ3である。2021年末の時点でIntelの売上はAMDの4倍程だったのが、2023年に入ってこれが2倍程度になり、2025年に入ってついにAMDの方が売り上げが上回る事態になった。幸いというかなんというか、2026年に入るとIntelの売上高も伸びたことで両社同等という感じになってきたが、"Revenue(Total)"、つまりIntelとAMDの売上高の合算を見ると、2025年第3四半期あたりまではそう大きな変化がない。この中でAMDが売上高を増やしたというのは、要するにIntelがそれだけ売り上げを落としていたという事になるからだ。
幸いにも現在はData Center向けCPUのマーケットは急速に拡大しているのはグラフからも明白であり、この恩恵を受ける形でIntelのDCAIも息を吹き返すことができた。また、グラフ1と2を見比べて頂けると分かるが、Client向けの売り上げで言えば、まだIntelの方が大きい(Intelが直近で90億米ドル強、AMDは40億米ドル弱)。なので売り上げのトータルとしてみればIntelはまだAMDに十分対抗しえる位置付けにはある。なのだが、DCAIが今後AMDのData Center部門に大きな差をつけられるか?というと簡単ではないだろう。
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