大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
ちょっと「謎」な一面も――Marvellの買収攻勢を読み解く(3/3 ページ)
AI Co.は何を売るのか
「SK hynix、米国にAIソリューション特化の新会社設立」でも報じられた通り、SK hynixは子会社であるSolidigmを再編。Soldiumは社名をAI Co.(仮称)に変更し、既存のSolidigmの製品とブランドは子会社であるSoldium Inc.に移管するとしている。問題はこのAI Co.(仮称)が何をする会社かさっぱり分からない事だ。「AIデータセンター分野における顧客向けに最適化されたAIシステムを提供する上で、中核的な役割を担う」(the memory chipmaker will try to play a pivotal role in delivering optimized AI systems for its customers in the AI datacenter sector)というのは、現実問題として何も言っていないに等しい。AI用途向けのカスタムHBM/LPDDR/etc...の提供のためだけにこれだけの手間を掛けるというのも考えにくい話だ。
そこで一つ思い出すのがPIM(Processor in Memory)、SK hynix風に言えばAiM(Accelerator in Memory)である。先鞭をつけたのはSamsung Electronicsで、2021年7月にはHBMにProcessorを組み合わせたHBM-PIMを発表、同年8月に開催されたHot Chipsでは実際にFPGAにこれを実装して評価した結果が発表された。これに負けじとSK hynixも2022年2月のISSCCでGDDR6-AiMの発表を行っている(図6)。この時の発表はまだ研究室レベルのものだが、同時に出されたリリースによれば、SK hynixとSK Telecomが出資するSAPEON Inc.が製品化を検討するという話だった。もっとも、Sapeonは2024年末に同じ韓国のRebellionsに吸収合併されており、同社の現在の製品ラインアップにAiMは存在しない。AI Co.はこのAiMを実用化するつもりではないのか?というのが筆者の予想である。2025年10月に行われたAI Infra SummitでもSK hynixはAiMソリューションの展示を行ったことが報じられている。Sapeon/Rebellionsでは駄目だったので、自前で乗り出したという事なのかもしれない。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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