大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
DDR5の異常な価格急騰はなぜ起きた? 推測できるシナリオは(2/3 ページ)
HBM/LPDDR/DDRの需要を分析してみる
ただ率直に筆者が疑問なのは、「そうやって買い込むのは良いが、本当にGPUが供給されるのか?」という話だ。そもそも今回の場合、流れとしてはNVIDIAの「GB300」とか次世代のRubin/Rubin Ultra、あるいはAMDの「Instinct MI350」シリーズや次世代の「Instinct MI400」シリーズは、大量にHBM3E/HBM4を搭載する。現在HBM3以降を供給できるSK hynix/Samsung/Micronのいずれも、ここに先端DRAMプロセスを割り当てる形で生産を行っており、基本的なDRAMセルそのものは全部共通であるものの、DRAMのダイそのものはDDR/LPDDR/HBMで全て異なっているから、HBMのニーズが高まれば、その分DDRやLPDDRの生産量が逼迫するのはまぁ仕方がない。ここで多少DDR/LPDDR系の供給がタイトになるのは理解できる。ただこのHBMに関して、そのContractはメモリメーカーとNVIDIAなりAMDとの間で結ばれるわけで、なので両社ともに自社のGPU生産予定量に合わせる形でContractをメモリメーカーと結ぶから、ここで突発的に需要が増えることは考えにくいし、例えばどちらかの会社が突然「やっぱ生産量を倍にしよう」とか言い出してもメモリメーカーは対応できない。なので、このHBM需要に関しては、メモリメーカーはとっくに折り込み済みでないとおかしい。
次にDDRを飛ばしてLPDDR。ここは先に述べたように、NVIDIAのGraceおよびVeraが利用する事になるから、Grace/Veraの出荷状況に応じては供給が逼迫する事はあり得る。なのだが、これに関してはメモリメーカーとNVIDIAの間でContractが結ばれているはずである。というかDDR5 DIMMと異なりパッケージに直接はんだ付けされるというHBMと同じ形での供給になっているから、ここの需要も当然メモリメーカーは折り込んでいないとおかしい。
最後がDDR。NVIDIAのGrace BlackwellとかVera Rubinの構成ではそもそもDDR5を使わない訳だが、NVIDIAのHGX B200/B300(Graceを含まない、純粋にBlackwellだけの構成)にx86ベースのWhitebox Serverを組み合わせるソリューションを提供するメーカーは多いし、AMDの場合はEPYCプロセッサとInstinct MI300/400を組み合わせる事になるので、ここではDDR5が使われることになる。これに関してはプレイヤーが多数いることになる。AMDは基本自社ではサーバを入れない(FrontierとかEl Capitan、最近だとHeliosやHerderといった大規模システムであってもHPEと共同で納入を行っている)ので、DDR5の調達はパートナーの仕事となる。で、DDR5の需要が急増したという事であれば、ここで何かしらがあったとしか考えられないことになる。
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