大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
急転直下で破綻したeFabless 原因はオープンソース「ただ乗り」問題か(3/3 ページ)
オープンソースで「どう稼ぐか」
ただこのchipIgnite、eFablessのもうけは非常に薄いというか、ほぼ原価に近かったのではないかと思われる。そしてeFablessは小規模の会社なので、例えば設計サービスとかサポート、コンサルテーションなどを請け負って稼ぐというのも厳しいし、顧客はOpen SourceベースのEDAツールを使って開発を行うので、そのツール代で稼ぐというわけにも行かない。幸いにも2020年7月にはまずSeries Aの投資(790万米ドル)を受け、2023年10月にはSeries A1(630万米ドル)も受けることで会社は問題なく運営できた。その結果が冒頭に紹介した、Wishart氏の年頭あいさつで触れられた2024年の実績につながるわけだ。
ただ投資を受けた一方で、2024年10月には250万米ドルの負債を抱えていた(詳細は不明)。Series Bの投資は、運営資金に加えてこの負債の返却のために必要だったものと思われる。ところがこのSeries Bが不成立に終わったことで、同社は事業閉鎖を余儀なくされた、という事のようだ。
ソフトウェアの部門でも、Open Sourceを利用したエコシステムでは、そのOpen Softwareの開発者に資金が還元されない、いわゆる「ただ乗り」が問題になっているのはご存じの通りであるが、Open Hardwareもこの問題を避けて通る事が出来なかった、というのが要するにeFablessに起きた事だろう。これでOpen Hardwareの火が消えてしまう事は無いとは思うが、次にチャレンジする人は、どうやって持続可能な収益源を見つけるかを真剣に考える必要がありそうに思える。クラウドファンディングではうまくいかない、というのは以前Adaptivaが立ち行かなくなったという実例がある。Open Hardwareはどうやって稼ぐかが今後の課題と言える。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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