大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
事実上の「GAA第1世代」は2025年? トップ3社のロードマップを読み解く(3/5 ページ)
TSMC
TSMCは、2024年4月24日にSanta Clara Convention Centerで「2024 North America Technology Symposium」を開催し、ここで「A16」プロセスについて初公開した(図5)。同社はGAAに関しては、まず2022年にN2プロセスの詳細を初公開しており、この時の説明ではN2はN3と比べて同じ消費電力なら10~15%の動作周波数向上、同じ動作周波数なら25~30%の消費電力削減が可能、としていた。これが2023年にはN3Eとの比較で、同じく10~15%の動作周波数向上ないし25~30%の消費電力削減と、Chip Densityが15%以上向上、と説明している。要するに2022年の数字はN3Eのものだったらしい。ちなみにこの2023年の時点で、256MビットSRAMを試作した際のYieldが50%を超えるという説明があった。
また2023年には、N2の後継としてN2PおよびN2Xが2026年度の量産開始に向けて用意されている事が説明された。N2PはN2の改良型であるが(どの程度向上するか?に関しての説明はなかった)、最大の特徴はBSPDN(TSMCはこれを「SPR(Super Power Rail)」と称している)を組み合わせたことだ。一方HPCなどの用途に向けて、動作周波数をN2より引き上げたものがN2Xとなる。こちらも性能などは特に開示されていない。
さて、ことし(2024年)の情報であるが、まずN2(と、恐らくN2P/N2Xにも提供されると思われる)に、「NanoFlex」が提供される。TSMCは3nm世代に「FinFlex」という、PMOSとNMOSのFinの数をPPA Target(高性能/省電力/高密度)に合わせて変更できる仕組みを導入しているが、これをGAAに持ち込んだのがNanoFlexである。ただ具体的に、何をどう変更できるのかは現時点では明らかにされていない。
次がA16である(図7)。こちらはN2Pと比べても8~10%の動作周波数向上、あるいは15~20%の消費電力削減と、7~10%のChip Density向上が実現するとしている。投入時期は2026年後半とあるが、図5を見る限り2026年末~2027年初頭といったあたり。かつてN3Bは2022年12月31日に量産開始が発表されたが、あれの繰り返しになるのかもしれない。
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