大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intelの命運を託されたファウンドリー事業 24年Q1決算から読み解く(2/3 ページ)
CCG以外は「総崩れ」
むしろIntelの問題はそれ以外が総崩れになりつつあることだろう。NEXは本来もっと売上高/営業利益ともに伸びていてしかるべきなのに、やっと営業利益率で13.5%まで回復したというのは正直理解に苦しむところだ。もちろん、図1を見ると分かるように、次第に営業利益率は伸びているとはいえ、このまま単調増加で営業利益率が増えると考えるには少し材料が足りない。せめて2024年中には20%台まで到達してほしいところではあるのだが。
旧PSG(Programmable Solution Group)、現alteraの売り上げの悪化もひどい(図2)。説明では「2024年以降は毎年20億米ドルの売り上げを見込む」としているが、これは2021年までの売り上げと全然変わらない事になる。ただ2024年第4四半期以降、猛烈に売り上げが落ちている事の説明がない。ラインアップで言えば、引き続き旧来の製品(「Stratix/Arria/Cyclone/Max」)は売れている一方で、これらを刷新する目的で投入された「Agilex」への移行が進んでおらず、結果として高単価な製品が売れていないのが要因の一つかと思われる。これは後述するAMDのEmbedded部門と好対照であり、このままだとIPOもおぼつかない可能性すらある。mobileyeの不調も不思議である(決算の際の説明では顧客在庫の取り崩しが要因で、今後は急速に復調する、という話であった)。ただ、次に説明するIntel Foundryの立ち上がりまでのつなぎの役を果たすべきNEX/altera/mobileyeがこの体たらくというのは、正直かなり危うい感じがする。
根拠なきIntel Foundryの見通し
さてそのIntel Foundry、こちらに関しては2024年4月2日にNew Segment Reporting Webinarが行われ、ここで以前説明した新しいビジネスモデルを適用する事を発表している(図3)。要するにプロセッサの製造/販売を行うIntel Productsに対して(社内取引であるが)ちゃんと製造コストに利益を加味した"Fair Market Price"を請求、単体で損益を計上する様になったということだ。ただこの結果として現状は大幅な赤字である(図4)。これは当然であって、米アリゾナ州とオハイオ州で新工場を建設中であり、これを全部Intel Foundryが被る事になるわけだから、黒字になるはずもない。ただこれは先行投資であり、IDM 2.0戦略を完遂するためには避けて通れない。
4月2日における説明では
- Intel Foundryの営業赤字のピークは2024年であり、今後は次第に赤字幅は減少する
- Intel Foundryは2030年までの中間地点(2027年ごろ?)をメドに黒字転換し、2030年末には非GAPPベースで粗利益率40%、営業利益率30%を目指す
- Intel Productsは2030年末には非GAPPベースで粗利益率60%、営業利益率40%を目指す
といった数字が挙げられていた。面白いのがこのIntel Foundryでの粗利の見込みで、Pre-EUV Node、つまりIntel 7/7++までは頑張っても20%程度の粗利でしかなく、EMIB/FoverosなどのAdvanced Packagingでもせいぜい40%台なのに、EUV Nodes(つまりIntel 4以下)では粗利を50%近くまで見込めるとしている事だ(図5)。そう簡単にコストが減らせるとは思えないので、それだけウエハー単価を高く設定できるという見通しなのかもしれないが、それでもここまでの粗利を稼げるという見通しの根拠が知りたいものである。
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これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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