大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
「その工場は本当に建つのか?」 半導体製造への投資ラッシュで見えてきた課題(1/3 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウォッチする連載。今回は、2023年を通して相次いだ半導体製造への投資を振り返り、そこから見えてきた2つの大きな課題について考察する。
2023年12月は、とりたてて取り上げるほどの大きな動きはなかったので、1年の振り返りも兼ねて、ちょっと2023年の半導体製造工程を巡る動きをまとめて振り返ってみたいと思う。
半導体製造への投資ラッシュが続いた2023年
2023年は、半導体製造やこれに関わる大型投資が相次いで発表された年であった。ここでいう半導体製造は何もファウンドリーに限った話ではなく、自社でFabを保有するメーカーも相次いで大型投資を発表したし、これに伴い後工程メーカーとか半導体製造装置メーカー、さらには素材メーカーなども猛烈な投資計画を発表した。昨年(2023年)6月の時点でもこんな予測が出ていた訳であるが、2023年12月に開催された「Semicon Japan」における講演では、2025年度には1250億米ドルもの投資が予想されているとする(図1)。もっとも、昨年6月の数字は300mmウエハー関連の投資だけの話で、一方SEMIの予測レポートは200mmウエハーも含めたものだから、この部分で多少のずれというか誤差があるのは否めないのだが、それよりも2023年後半になって発表された投資計画が少なからずある事も関係していると思う。
2024年1月3日に発表されたSemiconductor Engineeringの"Money Pours Into New Fabs And Facilities"には、2023年度に発表されただけで127件もの投資計画が並んでいる。これをちょっと月別に並べると
- 1月:5件
- 2月:12件
- 3月:8件
- 4月:7件
- 5月:12件
- 6月:17件
- 7月:19件
- 8月:5件
- 9月:11件
- 10月:11件
- 11月:8件
- 12月:12件
という格好で、2023年前半が61件、後半が66件に達する。異常な、とまでは言わないまでも、業界全体でアクセルを床まで踏み込んでいる感が強い。この結果、2026年度におけるウエハー生産量は、現在から3割弱増える事が見込まれている(図2)。2023年がおおむね7500KWPM(Wafers per Month)強だったのが、2026年には10000KWPM強に達すると予測されており、2500KWPMほどの増強になる。年間当たりでいえば30000KW、つまり3000万枚ほどウエハー生産量が増える計算になる。もっとも、この半分くらいは中国における生産量の増加なので、それ以外の全世界で言えば半分の1500万枚程という事になるのだが。
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これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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