矢野経済研究所
2025年パワー半導体世界市場、2017年の約1.7倍に相当する299億2000万ドルに
矢野経済研究所は、パワー半導体の世界市場に関する調査結果の概要を発表。市場概況や採用動向、個別メーカーの事業戦略を明らかにし、2025年までの世界市場規模を予測した。
矢野経済研究所は2019年1月15日、パワー半導体の世界市場に関する調査結果の概要を発表。市場概況や採用動向、個別メーカーの事業戦略を明らかにし、2025年までの世界市場規模を予測した。
堅調に推移するパワー半導体世界市場、2018年の市場規模は?
2017年におけるパワー半導体の世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、177億4500万ドル(前年比12.2%増)で、リーマンショック前を大きく上回る市場規模に達しているという。2016年後半から情報通信、民生、産業、自動車の4分野全てにおいて需要が伸長しており、パワー半導体メーカーの生産ラインはフル稼働状態が継続。2018年に関しても主要パワー半導体メーカーの受注は堅調に推移しており、2018年の同市場規模は、前年比9.2%増の193億7100万ドルになると、矢野経済研究所は予測する。
さらに同市場をデバイス別に見てみると、産業機器向けを中心にパワーモジュールの出荷が拡大。中でも、産業用ロボットや工作機械、半導体製造装置などで使われているサーボモーター向けパワーモジュールの需要が好調であったという。MOSFETは情報通信分野と自動車分野向けの需要が伸び、特にモーター制御の適用が拡大する自動車分野においては、車両1台当たりに搭載されるMOSFET数が増加しており、2019年以降も高い成長が見込まれる。
SiCパワー半導体、2025年の世界市場規模は25億4000万ドルと予測
一方、2017年におけるSiCパワー半導体の世界市場規模(同)は、3億1000万ドル(前年比35.4%増)。需要の中心は、コストダウンが進んだSiC-SBDで、情報通信分野(サーバの力率改善回路)、産業分野(太陽光発電用パワーコンディショナー、産業機器用電源、EV用充電ステーション)、自動車分野ではEVのオンボードチャージャー(OBC)などで利用が進んでいる。2018年は、EVのメインインバーターおよびOBCにSiC-MOSFETが採用されたため、自動車分野向けの市場規模が増加する見通しだという。
さらに矢野経済研究所は、2020年以降、SiCパワー半導体の自動車分野向け需要が本格的に立ち上がり、HV/EVのメインインバーターへの採用が段階的に進むと予測する。6インチSiCウエハーによる量産効果が2021年以降に出始め、Siパワー半導体とのコスト差が小さくなることでSiCパワー半導体の搭載用途が広がり、2025年には25億4000万ドルに成長するとみている。
2025年、パワー半導体の世界市場規模は299億2000万ドル
2025年におけるパワー半導体の世界市場規模(同)について、矢野経済研究所は299億2000万ドルになると予測する。2017~2025年までの年平均成長率(CAGR)は6.7%で推移し、2025年の市場規模は2017年の約1.7倍に拡大するという。
2018~2020年にかけては需給が逼迫(ひっぱく)する市場環境が続くとみられており、前年比7~9%台の増加で伸長し、2020年のパワー半導体世界市場規模は225億3000万ドルに達すると、矢野経済研究所は予測する。さらに、2021年以降に関しては、2019~2020年において各社が計画する設備投資の効果が順次出始め、供給数量も安定するために、前年比5~6%台で推移する見通しだとする。
こうしたパワー半導体世界市場全体の成長要因としては、IoTの世界的な広がりによる大規模データセンターの増加、白物家電や産業機器、新エネルギー分野(主に太陽光発電、風力発電)向けの安定した成長、HVやEV、また欧州、中国を中心とした車載用48V電源システムの普及拡大といった需要拡大が挙げられるという。
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