矢野経済研究所 パワーモジュール世界市場調査
パワーモジュール、2020年の需要は2億個を超える予想
環境規制や省エネルギー化の潮流を受け、パワーモジュールの2020年における市場規模は2億個を突破する見込みだ。矢野経済研究所調べ。
インバーターやコンバーターに欠かせない、パワー半導体とディスクリートチップを組み合わせてパッケージングした「パワーモジュール」。IGBTとダイオードを複数実装したIGBTモジュール、MOSFETを用いたMOSFETモジュール、IGBTモジュールに保護回路を内蔵したIPMなどの種類があるが、環境規制や省エネルギー化の潮流を受け、2020年の市場規模は2億個を突破する見込みだ。矢野経済研究所調べ。
矢野経済研究所は2017年7月14日、パワーモジュールの世界市場に関する調査報告書を「拡大するパワーモジュールの最新動向と将来展望2017」を発表した。ここでのパワーモジュールはIGBTモジュール、IPM、MOSFETモジュールを含んでおり、パワー半導体メーカーやパワーエレクトロニクス機器メーカーなどを対象に2017年2~5月に調査された。
2020年の需要は2億個に
2015年後編から2016年前半にかけてパワーモジュールの中国向け需要が落ち込み、また、産業機器向けIPMの伸びも鈍化したことで、2016年における世界市場規模は前年比0.3%減となる37億7000万ドル(メーカー出荷金額ベース)となる見込みである。
しかし、ハイブリッドカーや電気自動車の生産増、そして再生可能エネルギーの需要増もあって自動車と新エネルギーに向けたパワーモジュールについては堅調に推移しており、報告書では世界需要全体として、2017年は前年比8.5%増の40億9000万ドルのプラス成長に転じる可能性が高いとしている。
このプラス成長は当面の間続くと分析しており、2015~2020年は年平均成長率9.1%で推移し、2020年にはメーカー出荷金額ベースで58億4000万ドル、需要規模は2億1056万2000個になると予測している。
需要を押し上げる自動車
需要を最も押し上げると見込まれているのはやはり自動車である。ハイブリッドカーや電気自動車に搭載される、インバーターや電動コンプレッサーにはIGBTモジュールやIPMが必要であり、パワーモジュールの出荷数は拡大するものと考えられる。また、パワーステアリングに関しても、ディスクリート品の複数実装からパワーモジュールへの置き換えが進む可能性があり、こちらも需要を押し上げる要因となり得る。
白物家電や産業機器向けについては、地域別の需要差が生まれそうだ。白物家電向けIPMについてはエアコンのインバータ化が進むインドや東南アジア、ブラジルで需要増が見込まれ、冷蔵庫や洗濯機むけの需要増加も見込めるとする。
産業機器向けパワーモジュールについてはいわゆる「トップランナー規制」に類する規制が各国で運用開始されており、その結果として、モーター制御に用いられる汎用インバーター搭載機器が拡大し、産業機器向けIPMも堅調に推移すると予想されている。
再生可能エネルギー分野については、まだ太陽光発電の導入量が拡大基調にあり、また、米国では電源電圧を1500Vに高めたパワーコンディショナーの採用が始まっていることから耐圧1.7kVパワーモジュールの需要増も期待される。風力発電に関しても中国政府が導入目標の引き上げを行ったことから設備投資の継続が見込まれ、パワーモジュール需要にも好影響を及ぼすものとみられている。
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