VESA
VESA「DisplayPortは大きな伸びが見込める」車載やVRも視野に
ディスプレイインタフェース規格「DisplayPort」(DP)の規格策定を行うVESAが、最新規格1.4aの概要とあわせてDPの現状を説明した。AR/VRや車載などでの利用を視野に入れた検討も。
スマートフォンやPC、テレビなどでほぼ毎日目にする「ディスプレイ」を巡る環境は高画素化や大画面化、そしてHDR(ハイダイナミックレンジ)やVR/ARへの対応と、確実に変化しつつある。ディスプレイ周辺機器および環境に関する規格策定の団体であるVESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)のコンプライアンス・プログラム・マネージャーのJim Choate氏が来日、変化する「ディスプレイ」とVESAの取り組みについて説明した。
VESA(Video Electronics Standards Association)は「VESAアーム」で著名なようにディスプレイ周辺機器の規格策定(標準化)団体であるが、DVIの後継となるPC向け映像インタフェース規格であるDisplayPort(DP)の規格策定も行っている。
DPは2005年発表と、ディスプレイインタフェース規格の中では比較的新しいものであるが故にフルHDや4K、VR/ARといった広帯域が必要とされるアプリケーションに適しており、また、物理的にUSB Type-Cのコネクターを用いることを可能とする「USB Type-C ALT Mode」のサポートもあることから、モバイル向けでも採用が進み「2016年から2021年にかけての出荷数ベースでの年平均成長率は(CAGR)は113%が見込まれる」(Choate氏)と、今後の大きな成長が見込まれている(関連記事:・USB ALT Modeも実装可能な「DisplayPortの最新」と製品化における留意点)。
このDPにおいて2018年4月に追加された最新規格が「Version 1.4a」である。最大8.1Gbpsの転送速度とディスプレイストリーム圧縮(DSC)の採用によって、8K×4K/60Hz(24bpp/4:2:0)の超高解像度とリフレッシュノートに対応する。V1.3では8K×4K/30Hzが上限だったので、リフレッシュノートが向上した事による実用面での差は大きいといえる。
転送速度の高速化は高解像度だけでなく、マルチディスプレイにも大きく貢献する。マルチディスプレイ機能はデジタルサイネージにおいて重要な機能だが、PCでの作業環境を大きく向上させるものでもある。V1.4aでは4K映像のデュアルディスプレイ環境を1本のケーブルで構築可能となるため、PCやディスプレイの製造メーカー側としても対応を進めていくと思われる。
VESAの提唱する、ディスプレイにおけるHDR(ハイダイナミックレンジ)品質の基準およびテスト仕様となる「DisplayHDR」については既に認証プログラムが稼働しており、Choate氏はPhilipsやSamsung electronics、Dell、LG Electronicsらの製品が認証を得たと述べる。この中には最高スペックである「DisplayHDR 1000」の取得製品(Philips Momentum 436M6VBPAB)も含まれる。
なおDPは最新規格を発表されて間もないが、既に次世代規格や他産業を視野に入れての動きも始まっている。次世代DPについては「プロトコルのオーバーヘッドを削減すること」と「1.4aとの互換性を保つこと」を要点にした検証が2017年末から開始されており、他産業への展開についてはAR/VR機器と車載機器に対する検討をワーキンググループおよびSIG(special interest group)にて開始されている。
AR/VR機器については高い解像度やリフレッシュノート、利用者の体験を損なわない視聴体験を提供する転送方式など映像に関する課題は多く残されており、車載についても車内インテリアの電子化やADAS導入などが進む中で、運転者へ伝えるべき情報が増えていることから高解像度映像への需要は高まっている。VESAは2018年3月時点で275の加盟社を有するが、車載に関してはDP/eDP(Embedded DP)の活用を目指して自動車メーカーおよびサプライヤーとの協業を模索するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
市場動向(エレクトロニクス)
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー