TechFactory通信 編集後記
スマートスピーカーが示す「モノのサービス化」事例
各社の「スマートスピーカー」は、2017年末のヒット商品、話題商品ランキングに取り上げられるでしょう。ただ、モノとしてのランキング化はさほど意味がないように思えます。
都内のある家電量販店をのぞくと、Googleの「Google Home」が大きくプッシュされていました。音声操作で家電制御やインターネットを通じた情報検索などをしてくれる製品はGoogle Homeの他にも、LINE「Clova」やアマゾン「Echo」が登場あるいは登場を予定しており、ソニーも製品を投入するので年末に向けた話題となりそうです。
新カテゴリー製品であるためにジャンルを指す言葉が定まっていない印象があり、個人的には「AIスピーカー」より「スマートスピーカー(略称は“スマスピ”でしょうか)」の呼び方がいいかなと思っています。
呼び方はさておき、「スマートスピーカーがヒットするか?」は誰もが気になるところで、恐らく年末のヒット商品番付け的な企画のどこかに顔を出すのではないかと思います。ただ、この質問自体にあまり意味がないとも思うのです。
スマスピは「言葉で話しかけると、何らかのリアクションをする」製品です。リアクションは「明日の天気を知らせる」「テレビを付ける」「YouTubeの映像を流す」などでしょうが、これらはスマスピ自体が有する機能やサービスではありません。天気予報は気象庁などの観測データ、テレビを付けるにはテレビその物が、映像を流すにはYouTubeなど――がそれぞれ存在していなければなりません。
そうした意味では、「音声という手段を使うインタフェースの具現化」がスマスピの本質であり、この本質からすればスマスピの形状や色、スピーカー音質といったモノ的な要素は評価点として下位になります。何よりも「音声での要望に、どれだけ的確なアクションを返すか」が評価基準になるはずです。
やや偏った意見ではありますが、スマスピについては「目の前の製品がモノとしてどうか」を評価することにあまり意味はなく、「使ってみてどうか」だけを評価してこそ意味があると思うのです。
製造業が生産する製品を販売するのでなく、サービスとして提供することを価値とする「サービタイゼーション(Servitization)」は、「製造業のサービス化」といわれるようになりました。スマスピはこのモデルを製品側から示した「製品のサービス化」事例といえましょう。
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TechFactory通信 編集後記
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