コネクティッドホーム アライアンス
トヨタやパナ、東急も参加、立ち上がるか国産「暮らしのIoT」
東急電鉄やパナソニック、トヨタ、東京海上、キユーピー、みずほFGなど多種多彩な77社が集まり、「暮らしのIoT」実現を目指すコネクティッドホーム アライアンスが本格始動した。住宅や不動産、食品など日常生活に近い企業も多く、その「推進力」が期待される。
ジャパンクオリティーな「暮らしのIoT」実現を目指すコネクティッドホーム アライアンスが本格的な始動を宣言した。
東京急行電鉄(東急電鉄)やパナソニック、トヨタ自動車、東京海上日動火災保険、キユーピー、みずほフィナンシャルグループなど多種多彩な77社が集い、身の回りのモノがメーカーや種類を問わずつながることでの新たな価値提供を目指す。
「暮らしのIoT」を加速させるために
コネクティッドホーム アライアンスは2017年7月25日に設立された団体で、創設時には30社の参加であったものが、同年9月14日時点には77社まで加盟者数を増やしている。
活動方針として「企業の垣根を越えた、可能な限りオープンな運営」(東急電鉄 市来利之氏)を掲げており、規格や技術で加盟社を囲い込むのではなく、研究会やカンファレンスの開催、海外視察などを通じ、日用品がつながる「暮らしのIoT」を活性化させる狙いだ。
活動の柱になるのは「住まい」「オープンシステム」「データ活用」の各分野で行われる研究会だ。単なるディスカッションや報告会にとどまることなく、PoC(Proof of Concept)を繰り返すことで商用サービスとしての課題を洗い出す。
「コネクティッドホーム アライアンス参加企業はいずれかの研究会に参加してもらい、研究会においてはさらに目的を絞り込んだ分科会を作り、議論や試作に取り組んでもらう。PoCにおいて東急電鉄はいろいろな協力ができると考えている」(市来氏)
市来氏はアライアンスが烏合(うごう)の衆とならぬよう、研究会の活動を積極的に推進する考えを示す。その脳裏にあるのはスマートホーム領域における海外の先行だ。スマートホームの考え方自体は以前より存在するが、2010年代に入ってからはGoogleやApple、Microsoftなどがデバイス(モノ)の提供ではなく「つなぐこと」でスマートホームを目指す動きを加速させている。
「今後はモノではなく、サービス(体験)の提供こそが求められる」とは、見聞きすることの増えたフレーズだが、コネクティッドホーム アライアンスの特別顧問を務める東京大学 生産技術研究所 教授の野城智也氏も日常生活におけるニーズがモノからコトへとシフトしていると指摘する。
「これまでは“いいものを作って売る”だったが、日常生活におけるニーズとは“個人にとって心地よい”体験であって、そこを見誤るとノックアウトされてしまう。しかし、提供する体験が受け入れられないこともある。そのためには自社だけではない取り組みと、PoCの繰り返しが必要だ」(野城氏)
2017年9月14日に行われたコネクティッドホーム アライアンスの設立会見では「スマートフォンへの音声指示で玄関のカギを開け、入室すると自動的に照明がついて扇風機とルンバが動き出し、入出の様子を撮影したカメラ映像がスマートフォンに届く」という連携が紹介された。
スマートフォンでカギの開け閉め、照明の自動点灯、カメラの自動撮影とスマートフォン配信、いずれも既に利用されているが、組み合わせての利用は一般的ではない。その一般化が「暮らしのIoT」であり、その実現にはメーカーを問わず製品がつながり、安心して使える状態にする必要がある。
日常をつながることで便利にするという企業や団体、サービス、製品は数多く存在するが、コネクティッドホーム アライアンスではこの「安心して使えること」の実現と提供に注力する。「“利用できます”ではなく、“安心して使える”を提供することもアライアンスの狙いの1つ。目的に沿うならば、他社や他アライアンスとの協力は積極的に進めていく」(市来氏)
国内におけるスマートホーム実現を目指す動きとしては東京電力エナジーパートナーズとソニーモバイルコミュニケーションズの「おうちの安心プラン」やKDDIの「au HOME」などが既にサービスを開始している。やや毛色が異なるものの、LINEの「Clova」やAmazonの「Echo」、Apple「Home Pod」などといったスマートスピーカーもスマートホームの構成要素として注意深くチェックする必要があるだろう。
本格的な活動を宣言したコネクティッドホーム アライアンスだが、どのような成果を残すかは未知数だ。しかし、過度なモノ主導に陥らないためにも、電機やIT関連だけではなく、住宅や不動産、エネルギーなど日常生活に欠かせない製品やサービスを手掛ける企業が参加していることの意味は大きいといえる。
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