FIELD System
ファナック、稲葉会長が語る「FIELD System」の全容とその狙い(1/2 ページ)
「FIELD System」は、2017年10月に提供開始されたファナックが中心となる製造業向けIoT基盤だ。“製造を止めない”を価値とするファナックのIoT基盤、その全容とビジョンを稲葉会長が語った。
「FIELD system」はファナックとシスコシステムズ、ロックウェルオートメーション、Preferred Networksの4社が2016年4月に発表した製造業向けIoT基盤「FIELD system」である。その後にNTT、NTTコミュニケーションズ、NTTデータの3社が加わり、2017年10月2日に日本国内でのサービスが開始された。
既にIoTという言葉も定着しており、NEC「WISE」や日立製作所「Lumada」など製造業での利用に適するIoT基盤も多い。そのなか、後発となるFIELD systemは何を特徴に掲げるのか。提供開始を発表した翌日、2017年10月3日にCEATEC JAPAN 2017にて行われたファナック 代表取締役会長 兼 CEOの稲葉善治氏による講演「IoTによる知能化工場への挑戦 ~FIELD system~」を紹介する。
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限界に達しつつある「止まらない」黄色
ファナックはCNC機器やサーボモーター、レーザー発振器などの「FA(Factory Automation)」、多関節ロボットのなど「産業用ロボット」、電動射出成形機などの「ロボマシン」の3つを主要な事業領域としており、製造過程における「駆動」「加工」「組み立て」「搬送」の領域をカバーしている。
1956年に日本で民間初のNC(数値制御装置)とサーボの開発の成功した、同社製品の根底にある狙いは「自動化による効率向上」である。これは「日本の中でものづくりをしながら国際競争力を高めるにはどうすればよいかを追求した結果」(稲葉氏)であり、その査証に、同社製造拠点は全て日本国内に存在する。
柱の1つである産業ロボットについては現在、山梨県忍野村の本社工場と茨城県の筑波工場で生産しているが、世界的に高まる需要に応えるべく、茨城県に第3の工場を建設中である。これが完成すれば、産業用ロボットの生産能力は月産6000台から1万1000台まで引き上げられる。
製造業向け製造機械を提供するファナックは、「止まらない工場」の提供を価値としてきた。そのため、自社が製造する機械については「壊れない、壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる」をスローガンとしている。しかし、稲葉氏は「機械そのものの最適化は限界に達しつつある」と現状を分析する。
「工場の課題とはなにか。これまでは個々の工作機械やロボットのパフォーマンス向上に注力してきたが、それだけでは通用しなくなっている。そこでIoTとAIを積極活用して、工場内の課題解決を目指す。全体の最適化と自律分散制御が当面の目標だが、熟練作業者の技能が失われつつある状況に対しての解決法でもあると考えている」(稲葉氏)
稲葉氏の語る「IoTとAIの活用」を具体化したのが「FIELD system」だ。一般にIoTとしてイメージされるシステムの場合、データの発生源は人間(=人間の起こした動作)であるが、製造業IoTにおけるデータ発生源は機械である。機械が生み出すデータ量は膨大であり、生成速度は非常に高速である。そう考えると、「人間が介在しないIoT」にはそれに適した仕組みが必要になる。
こうした発想の末、FIELD systemは処理をクラウドだけに頼るのではなく、エッジとクラウドの中間層である「フォグ」を設け、エッジとフォグで処理のほとんどを済ませる「エッジヘビー」の構想を取り入れた。
「(生産機械のIoT化を進めるに際して)通信面速度や容量の関係もあるが、クラウドで一括処理するシナリオは現実的と言えない。ほとんどの処理をエッジ側でやろうというのが、FIELD Systemの発想の根幹だ」(稲葉氏)
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