矢野経済研究所 マイクロLED市場調査
ソニーの採用で立ち上がるマイクロLED市場、2025年には45億ドル規模に
100μm以下と非常に小さいマイクロLED。ソニーがマイクロLEDを用いたディスプレイを販売開始したことで市場は立ち上がりつつあり、2025年には45億ドルの市場規模にまで成長する見込み。矢野経済研究所調べ。
LEDのなかでも極めて小さく(おおむね100μm以下)、基板上に実装する他にもウェアラブル素材への装着なども見込まれるマイクロLED。ソニーがマイクロLEDを用いたディスプレイを販売開始したことで市場は形成されつつあり、矢野経済研究所の調べでは、2025年には45億ドルの市場規模にまで成長するとしている。
マイクロLEDは文字取り小さなLED、光源だが、その小ささからさまざまな可能性を秘めている。ソニーが開発したディスプレイシステム「CLEDIS」は画素にRGBのマイクロLEDを配置して画素ごとに駆動させる自発光システムであり、光源サイズ(つまりはLEDのサイズ)が約0.003mm2と微細なために、ディスプレイに比べて高コントラスト、広視野角、広色域の映像表現が可能となっている。
ソニーの例のようにチップそのものを画素として活用することも可能であるが、極小サイズのLEDとして利用すれば「フレキシブル基板に実装して折り曲げても壊れない光源」として利用することもできる。そのためディスプレイはもちろん、繊維への折り込みや人体挿入型医療機器など新たな用途への利用も想定される。
しかしながら技術として確立されていない部分も多いため、LEDやOLEDといった他の技術と直接の競争が起きるとは考えにくく、矢野経済研究所の発表した調査資料でもLCDやOLEDディスプレイでは対応が難しい100型以上の大型ディスプレイや、生産量が少ないスマートウォッチ向けディスプレイなど、ニッチな範囲からマイクロLEDの採用が始まると予想している。
その市場規模だが、発表された調査資料によれば、ソニーがCLEDISで市場を切り開いた2017年は約700万ドル程度と見込まれるが、2018年は約1400万ドル、2019年には2億2400万ドルと順調に成長し、2025年には45億ドルの市場規模にまで成長すると予測されている。その背景にはソニーの採用に加えてFoxconnによるマイクロLEDスタートアップの買収といった、活発化を確認できる企業動向も存在する。
ディスプレイ向けを中心とした立ち上がりを見せているマイクロLEDだが、2020年ごろには車載ヘッドランプや医療関係にも採用が進むとみられる。ただし、調査資料では製造技術やコスト、安全面などの課題はまだ完全にクリアされていないため、ディスプレイ以外の用途が市場に占める割合は一部にとどまるとも予想している。
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