芝浦工業大学/カルソニックカンセイ
心拍データから最適温度を判断する次世代車内空調システム
芝浦工業大学 機械制御システム学科の伊東敏夫教授は、カルソニックカンセイと共同で、快適性と省エネ化を両立する次世代車内空調システムの開発に向けた研究を開始した。
芝浦工業大学 機械制御システム学科の伊東敏夫教授は2016年7月6日、カルソニックカンセイと共同で、快適性と省エネ化を両立する次世代車内空調システムの開発に向けた研究を開始したことを発表した。
近年、自動車の燃費性能やデザイン性の向上とともに、振動、騒音、温熱環境といった快適性も重要視されつつある。
走行時以外でエンジンの動力を最も使用するのが車内空調システムであり、現在のシステムは人の体感温度に関係なく設定温度を保つよう稼働するため、ムダが生じていた。さらに、自動車の冷暖房はエンジンの廃熱を使用するが、エンジン性能が向上するにつれ廃熱が少なくなり、暖房エネルギー供給のために燃料を消費するといった課題が生じていた。また、エンジン廃熱を利用しない電気自動車(EV)に関しては、冷暖房によるエネルギー消費問題はガソリン車よりも顕著であり、実走行距離を伸ばす上で大きな障害となっていた。
今回の研究は、「温度変化によるストレスで、心拍数の違いや、自律神経の乱れが生じるのではないか」という仮説を立て、実験をスタート。安静にした被験者の環境温度を20分おきに変えた場合、心拍がどう変わるかを計測・解析し、その結果から心拍数の変化から快適に感じているかどうか判断できる傾向があることが分かったという。
将来的には、
- 心拍から快適か不快かが自動で計測され、その人に応じた最適な温度環境の自動化
- 今まで過冷房、過暖房でムダにしていたエネルギーロスを改善
- 運転手が装置を身に着けなくても、ハンドルやシート内に心拍計を組み込むだけで済む製品の開発
を目指すという。
現在、心拍データから温度変化による心拍数や自律神経(交感神経と副交感神経)の動きを解析することで、人が今、温度をどう感じているのかについて計測の可能性を調べる研究を進めている。
今後の展開としては、運転中にリアルタイムで心拍を計測し、心拍データを基に不快と判断されれば快適になるまでエアコンを制御するなど、製品として形にできる精度を出すため、課題解決に向けた追加実験を実施する予定だという。伊東教授とカルソニックカンセイは今後も共同研究を継続し、より計測精度を向上させる実験を行い、ハンドルやシートへの心拍計の組み込み検討とともに、トータルシステムの構築を目指すとしている。
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