IoTスペシャリストを目指そう(2)
第2問 人工知能「ディープラーニング」について(3/3 ページ)
解答と解説
解答
正解は、
2.ディープラーニングを用いた画像認識プログラムでは、猫の顔や人の顔に反応するニューロンを“教師なし学習”で作り出すことができた。
です。
解説
この問題は、主にクラウド上で処理される人工知能の中で、ディープラーニングについて理解しているかどうかを確認しています。初めて知る内容かもしれませんが、IoTが新しいコンピュータの使い方を実現可能にしていることが理解できるでしょう。
ディープラーニングのベースになったニューラルネットワークは、脳の神経細胞であるニューロンをコンピュータでシミュレーションしたもので、1950年代から研究されていました。当時の技術力では人の顔の分析などはできなかったのですが、分析技術の向上だけでなく、クラウドによる膨大なデータの蓄積と処理能力の向上により、猫の顔や人の顔を分析するニューロンが実現されました。ディープラーニングは囲碁プログラム、ブロック崩しのようなゲームだけでなく、自動運転に必要な画像認識にも応用されています。
選択肢1.は、ディープラーニングを用いた囲碁プログラムの学習についての説明です。Googleの「AlphaGo」では、人間の棋士同士の対局譜面をニューラルネットワークに与えることで、囲碁のルールを学習させています。つまり、囲碁のルールと基本的な定石に関するデータを用いた学習ではありません。
選択肢2.の説明は正しい内容です。Googleは9つの階層を持つニューラルネットワークに、約1000万枚の画像を用いてディープラーニングで「教師なし学習」をしたところ、人の顔に強く反応するニューロンや猫の顔に強く反応するニューロンが生まれました。教師なし学習とは、正解を提示することなしに行う学習です。「猫」ニューロンの場合は、猫の顔に強く反応するニューロンにあらかじめ「これは猫だ」と教えているわけではなく、偶然に猫に強く反応するニューロンが見つかっただけです。
選択肢3.は誤りです。データと正解の組を用いた学習は「教師あり学習」と呼ばれます。「強化学習」では、そのときの状況に対する評価値を与えることで学習を行います。ブロック崩しではスコアのアップ/ダウンを評価値として強化学習をすることで、600回ほどのゲーム回数で上級者の腕前に達しています。
選択肢4.の説明は間違いです。GoogleのAlphaGoでは人間の棋士同士の対局譜面をディープラーニングで強化学習した後で、AlphaGo同士を対戦させて対局譜面を学習させました。その結果、人間の棋士が指したことのないような手を指すようになりました。
さて、今回の内容はいかがでしたでしょうか? また次回、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題をお届けしたいと思います。お楽しみに! (次回に続く)
著者紹介:
末石吾朗(すえいしごろう)
東京電機大学 講師、テクノウォーカー/
サートプロ IoT技術講師
1977年、埼玉大学理工学部電子工学科卒業。第一種情報処理技術者、オンライン種情報処理技術者、マイクロコンピュータ応用システム開発技術者(中級)、デジタル工事担任者他の各種情報処理試験に合格し、組み込み技術、プログラミング、情報処理のセミナー講師、執筆活動などを行う。情報活用能力認定試験(J検)作問委員歴任。
主な著書(共著):「人工知能概論」(専門教育出版)、「C言語プログラミング」(一橋出版)、「ハイクラスC言語コンパイラ&インタプリタ」(技術評論社)、「応用情報技術者試験 午前精選予想問題集」(東京電機大学出版局)、「応用情報技術者試験 午後解法の手引き」(東京電機大学出版局)がある。
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IoTスペシャリストを目指そう
IoTプロジェクトを計画・推進するには、産業システム、法律、デバイス開発、無線ネットワーク、データ分析、セキュリティなど幅広い知識が必要となります。本連載ではIoT検定制度委員会監修の下、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題し、その解答を詳しく解説していきます。
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