BCP策定状況
大地震の発生など、リスクを想定した経営を行っている企業はどれくらいあるか?
地震などに代表される大規模災害が発生した際、あなたの企業は損害を最小限にとどめ、事業の継続および早期復旧が行える備えがあるだろうか? 内閣府が2016年3月に公表した「平成27年度 企業の事業継続及び防災に関する実態調査」からBCP(事業継続計画)策定の現状を見ていこう。
地震や台風などに代表される大規模災害の発生による企業活動への打撃は計り知れない。企業活動の停滞はその企業だけでなく、関係各社(取引先など含む)や雇用、地域経済にまで大きな影響を及ぼしかねない。
そのため、各企業は自然災害や火災・爆発などの事故、社会/通信インフラの途絶、テロ攻撃・紛争といった企業活動を取り巻くあらゆるリスクを理解・想定し、そうした事態が発生した際、損害を最小限にとどめると同時に、事業の継続および早期復旧が行えるようあらかじめ「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」の策定が求められている。
内閣府(防災担当)は2016年3月、平成27年度に実施した“企業の事業継続および防災の取り組みに関する実態調査”の結果を取りまとめた「平成27年度 企業の事業継続及び防災に関する実態調査」を公開。この調査結果は、総務省「平成26年経済センサス-基礎調査」のデータから抽出した大企業/中堅企業/その他企業(計:5070社)に対してアンケート調査を実施し、有効回答数1996社から得られた内容を整理し、報告書としてまとめたものである。
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企業規模/業種別で見るBCPの策定状況
まず、BCPの策定状況についてだが、大企業の60.4%が既に「策定済み」と回答。これに「策定中」と回答した企業(15.0%)を含めると、大企業の約75%がBCPの策定を着実に進めている/完了している状況にあることが分かる。一方、中堅企業では29.9%が「策定済み」と回答し、「策定中」が12.1%という結果となった。
その他、大企業の回答を見てみると「策定を予定している(検討中を含む)」が16.4%、「予定はない」が5.1%、「(BCPを)知らなかった」が0.8%となり、この傾向は中堅企業でもほぼ同じだという。
前回調査(平成25年度)の結果と比べると、「策定済み」「策定中」「予定している」の回答が伸びており、逆に「予定はない」「知らなかった」の回答が減少していることから、大企業を中心にBCPの策定が進んできている状況にあることが分かる。
また業種別で見てみると、「金融・保険業」のBCP策定率が86.9%と最も高く、以降、「情報通信業」(59.1%)、「建設業」(50.0%)、「製造業」(48.1%)と続く。
具体的に“どのようなリスク”を想定しているか?
さらに、「企業活動を取り巻くリスクを具体的に想定して経営を行っているか」という設問では、全体で66.1%、大企業で85.4%、中堅企業で60.8%、その他企業で63.7%が「行っている」と回答している。これに「現在計画中である」「行う予定がある(検討中を含む)」を含めると、全体で91.1%、大企業で97.7%、中堅企業で92.8%、その他企業で88.6%という結果となり、多くの企業でリスクを想定した経営を実施、計画、検討していることが分かった。
では、企業活動を取り巻くリスクを具体的に想定して経営を「行っている」「現在計画中である」「行う予定がある(検討中を含む)」と回答した企業は、具体的に“どのようなリスク”を想定しているのだろうか?
全体では、「地震・台風などの自然災害」が93.4%を占め、次いで「通信(インターネット・電話)の途絶」(54.5%)、「新型インフルエンザなどの感染症」(50.4%)が上位の回答として上がっている。
これに対し、大企業では「地震・台風などの自然災害」が98.3%でトップ。次いで「新型インフルエンザなどの感染症」(70.6%)、「外部委託先のサーバ・データセンターなど情報システムの停止」(66.8%)といった回答が上位を占めている。
従業員に浸透している? 実効性を高めるための取り組み状況
BCPの策定は大企業を中心に進んできている状況にあると述べたが、企業活動を取り巻くリスクを具体的に想定して経営を「行っている」「現在計画中である」と回答した企業では、災害などの外的事象が発生した際の対応について、どこまで従業員に浸透させているのだろうか?
まず、実効性を高めるための取り組みを「実施している」と回答したのは、全体で77.5%、大企業で85.7%、中堅企業で68.6%、その他企業で70.4%という結果となった。また、「現在検討中」としたのは、全体で15.8%、大企業で11.0%、中堅企業で23.4%、その他企業で17.8%となった。
さらに、「リスクへの対応を実施していく上での課題」について、企業活動を取り巻くリスクを具体的に想定して経営を「行っている」「現在計画中である」と回答した企業に聞いたところ、全体では「自社従業員への取り組みの浸透」が78.4%でトップ。次いで「取り組み時間・人員の確保」が54.0%、「関係先への取り組みの浸透」「予算の確保」がともに34.9%と上位を占める結果となった。
企業規模で見てみると、大企業では「自社従業員への取り組みの浸透」がトップで82.4%を占め、「取り組み時間・人員の確保」(56.8%)、「関係先への取り組みの浸透」(37.6%)が続く。また中堅企業では、「自社従業員への取り組みの浸透」が81.4%、「取り組み時間・人員の確保」が53.8%、「予算の確保」が33.9%となり、大企業/中堅企業ともに全体とほぼ同じ傾向にあることが分かった。
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