連載
次第に姿を現した謎の通信技術「Amazon Sidewalk」:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/2 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2020年9月の業界動向の振り返りとして、アマゾンが独自に開発したLPWA「Amazon Sidewalk」についてお届けする。
2020年9月の最大のネタは言うまでもなくNVIDIAによるArm買収の発表だが、これについては既に記事の形でお届けしたので、今回はアマゾンが独自に開発したLPWA「Amazon Sidewalk」についてご紹介する。
Amazon Sidewalkの名前が初めて登場したのは2019年9月に行われたAmazon Devices Event 2019でのこと。ここで新しいLPWA規格としてSidewalkというプロトコル(というか、技術)を開発していることが明らかにされた。このSidewalkであるが、
- 900MHz帯のISM Bandを利用
- 到達距離は屋外でKm単位を想定
- 電池駆動で年単位のバッテリー寿命
- FirmwareなどのOTA Updateに対応
といった特徴が断片的に伝えられるだけだった。このSidewalkを採用する最初のアプリケーションが、飼い犬のトラッキングデバイスであるRing Fetchで、飼い犬が特定の範囲から出たら、それを飼い主に通知するというものである。ここから、少なくとも電界強度を確認する機能を持っており、事によればBluetoothと同じように方位測定機能も提供される可能性もある。
さてこのSidewalk、2019年9月の発表から後は、特に話題にもならなかったのだが、2020年9月21日に“Amazon Sidewalk: a new way to stay connected”というブログエントリが公開され、以下の内容が明らかにされた。
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