6GHz帯を使う「Wi-Fi 6E」、今後どうなる?:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2020年1月の業界動向の振り返りとして、Wi-Fi 6EとMicrium μC/RTOSのOpen License化についてお届けする。
2020年1月はCESがあったこともあり、多くの製品/サービスが発表されており、ITmediaでも多数のニュースが掲載されている。今回は、ここから漏れているが注目したい1月のニュースをお届けする。
Wi-Fi Alliance、Wi-Fi 6Eを発表
そのCESに合わせ、Wi-Fi AllianceはIEEE 802.11axの拡張仕様となるWi-Fi 6Eを発表した。既存のWi-Fi 6、つまりIEEE 802.11axであるが、既に製品が出荷されているにもかかわらず、現時点ではまだ標準化が完了していない。もっとも最後のWorking GroupのMeetingは2019年11月に開催され、ここでDraft 6.0の策定に向けての準備作業がほぼ完了した状態にある。普通に考えればあと数カ月でDraftの改定は終了し、仕様の公開に向けての作業に入りそうな感じだ。
さてそのIEEE 802.11axであるが、従来発表されていた話は、IEEE 802.11acの効率改善である。利用する周波数帯は同じながら、OFDMAの採用やMIMOの拡張、サブキャリアの周波数変更などで、より多数のユーザーに対して同時に効率よく通信を提供できるようになっている。それはよいのだが、実はこのIEEE 802.11ax、2018年11月に出てきたDraft 4.0で「利用周波数帯の拡張」が行われている。具体的に言えば、従来の5GHz帯(5170〜5815MHz)に加えて、新たに6GHz帯(5935〜7125MHz)を利用する仕様が追加され、これはDraft 6.0でも残っており、恐らくこのまま標準化されるものと思われる。これを受けて、Wi-Fi Allianceは従来のIEEE 802.11acではカバーされなかったこの6GHz帯を利用するものを、Wi-Fi 6Eとして示した形になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.