トレジャーデータ創業者が語る「データファースト時代の開発者像」とは?:Arm Mbed Connect 2018 Japan(1/2 ページ)
開発者イベント「Arm Mbed Connect 2018 Japan」において、2018年8月にArmに買収されたトレジャーデータの創業者兼CTOで、現Arm IoTサービスグループ テクノロジー担当バイスプレジデントを務める太田一樹氏が「データファースト時代の開発者像」をテーマに講演を行った。
「Arm Mbed Connect 2018 Japan」基調講演
Armの日本法人アームは2018年12月5日、開発者イベント「Arm Mbed Connect 2018 Japan」を開催。基調講演に、2018年8月に買収したトレジャーデータ(Treasure Data)の創業者兼CTOで、現Arm IoTサービスグループ テクノロジー担当バイスプレジデントを務める太田一樹氏が登壇し、「データファースト時代の開発者像」をテーマに、Armがトレジャーデータを買収した背景やトレジャーデータのソリューションとその事例、そしてIoT(Internet of Things)/データ活用時代に求められるエンジニア像について語った。
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Armがトレジャーデータを買収した背景
トレジャーデータは、2011年12月に3人の日本人が米国シリコンバレーで創業したデータマネジメント技術に強みを持つベンチャー企業である。モバイル、ストリーミング、IoTの普及などによって爆発的に増加するビッグデータを、効率良く扱うことができるクラウド型のデータ管理機能を提供。日本での事業展開後も順調に顧客数を伸ばし、デジタルマーケティング領域を中心に400社以上の採用実績を誇る。
太田氏は、東京大学 理学部 情報科学科に在学中からプリファードインフラストラクチャー(Preferred Infrastructure)でCTOとして在籍しながら、エンジニアの立場でオープンソースコミュニティーにも貢献。日本のHadoopユーザー会の創設に尽力した人物として知られる。トレジャーデータではCTOとして活躍し、プロダクトロードマップを描き、R&Dを推進してきた。
2018年8月のArmによる買収を機に、トレジャーデータはArm IoTサービスグループに組み込まれ、トレジャーデータの主力事業である「Customer Data Platform(CDP)」を継続。Armがトレジャーデータの買収と併せて発表した、IoT統合プラットフォーム「Arm Pelion IoT Platform」のデータ管理機能の役割を、CDPが担うこととなった。
Arm Pelion IoT Platformとは、Arm自身が取り組んできた「Mbed Cloud」による“デバイスマネジメント機能”に加え、2018年6月にArmが買収したStream TechnologiesのIoTコネクティビティ管理技術をベースとした“コネクティビティマネジメント機能”、そしてトレジャーデータのCDPによる“データマネジメント機能”からなる、IoTのための統合プラットフォームである。
「2035年になると、Armのチップが搭載されるようなIoTデバイスの数は累計1兆個になると言われている。1兆個ものデバイスをどのように接続するのか、これを担うのがコネクティビティマネジメントであり、それらをどのようにセキュアに管理するのかがデバイスマネジメントである。そして、1兆個のデバイスから上がってくるデータをどのように価値に変換するかがデータマネジメントの役目である。IoTの世界には決まったユースケースはない。そのため、さまざまなユースケースをカバーできるプラットフォームの存在が欠かせない。われわれは、世の中にいかに早く価値を還元できるかにフォーカスしながらArm Pelion IoT Platformの開発を進めている」(太田氏)
消費者を深く理解し、そこから価値につなげる
続いて太田氏は、“データ”にフォーカスし、CDPについてさらに詳しく紹介した。
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