安川電機、アーク溶接ロボットの新製品「MOTOMAN-AR1440E」を発売:動作速度が最大18%向上
安川電機は、アーク溶接ロボット「AR」シリーズの新製品として、可搬質量6kg、最大リーチ1440mmの7軸アーク溶接ロボット「MOTOMAN-AR1440E」を発売した。
安川電機は2018年9月3日、アーク溶接ロボット「AR」シリーズの新製品として、可搬質量6kg、最大リーチ1440mmの7軸アーク溶接ロボット「MOTOMAN-AR1440E」を発売した。新型ロボットコントローラー「YRC1000」と合わせて使用することで、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出せる。
◎「産業用ロボット」関連記事 〜導入・活用事例、課題、メリット、市場〜 など
» オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ
» 吉野家の食器洗浄を支援する協働ロボット、自動仕分けで78%の工数削減を目指す
» 腐ったミカンもつぶさずにつかめる「リアルハプティクス技術」搭載双腕ロボット
MOTOMAN-AR1440Eは、7軸制御によるアームの回り込み姿勢により、最適な溶接トーチ姿勢を維持したまま溶接できる。同社の従来機種と比較して、各軸の動作速度が最大18%向上した。また、ロボット手首軸を短くし、基本軸の移動量を最適化することでタクトタイムを短縮。新たな軌跡制御を採用して、従来機種より軌跡誤差を80%減少した。テスト運転、プレイバック時も動作速度変化によらず同じ軌跡で動作する。
スリムアームの採用により、周辺設備への干渉を低減。小型躯体ながら広い動作範囲を確保している。中空アームにより、トーチケーブルをアーム内に収納可能だ。従来機種では3kgだった可搬質量を6kgに強化し、各種センサーなどを搭載できる。
アーム形状は、溶接時に飛散するスパッタや粉じんなどの堆積を少なくする、丸みを帯びた耐環境デザインを採用。手首軸はIP67を標準採用する他、スパッタなどの異物浸入対策を強化。従来機種と比較して外乱に強い構造にした。
ロボットとコントローラー間をケーブル1本で接続しており、設備立ち上げ時間を短縮し、配線の少ない設備を構築できる。マニピュレータ内部の通信線の断線や各軸サーボモーターのエンコーダー異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラームを表示。通信線の断線時の仮復旧や仮配線を行えるマルチポートを各部位に配置した。
同製品と、溶接トーチの角度変化に応じて溶接波形を自動調整する「シンクロウェルディング機能」を搭載した溶接電源「MOTOWELD-X350」を組み合わせることで、トーチの角度変化に伴う溶接条件調整の時間を短縮し、スパッタ発生を抑える。さらに、MOTOWELD-X350とオプションの交流ユニットを使用すれば、薄板に有効な交流溶接ができる。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 政府「ロボット新戦略」を読み解く【前編】
» 政府「ロボット新戦略」を読み解く【後編】
» いまさら聞けない「サービスロボット」基礎
» ロボットデザイナーが考える人型ロボットの条件
» 【実態調査】ロボットによる接客は受け入れられているのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 産業用ロボット「1台から」でも導入支援
OSセミテックが中小製造業に向けた産業ロボット導入コンサルティングを開始する。1台からの導入も支援する。 - デンソーウェーブ、重さ4キロの協働ロボット「COBOTTA」
デンソーウェーブは同社初の協働ロボット「COBOTTA」の受注を、2017年11月29日より開始する。出荷開始は2018年2月の見込み。 - 産業用ロボット「MOTOMAN」に29機種の新製品
安川電機の産業用ロボット「MOTOMAN」シリーズに29機種の新製品が追加された。いずれもコントローラー「YRC1000」に対応し、さまざまな現場の生産性向上に貢献する。 - 生産性を高めるロングリーチタイプの産業用ロボット
ロングリーチタイプの産業用ロボット「MOTOMAN-GP25-12」「MOTOMAN-AR2010」を安川電機が販売開始する。範囲拡大によって、作業効率の拡大に貢献する。 - 「業界最小・最軽量」の6軸多関節ロボット、加工機への組み込みも可能
6軸多関節ロボットで「業界最小・最軽量」をうたう「MotoMINI」を安川電機が販売開始した。本体重量は約7kgと無理なく持ち運べ、設置面積も小さい。