インドネシアの特殊事情とどう付き合うべきか?:インドネシアにおける日系製造業のIT事情(2)(1/2 ページ)
インドネシアに工場を持つ、日系製造業のIT事情とは? 中国に3年、タイに3年駐在した経験のある筆者が、それらの国と比較したインドネシア特有のIT導入の実態について現地からレポート。第2回では、プロジェクト現場における日本人マネジャーと現地スタッフとのギャップや、インドネシア特有のローカルスピードなどについて取り上げる。
ジャカルタの交通渋滞とつながらないインターネット
ジャカルタの交通渋滞はとにかく殺人的だ――。特に筆者のようにジャカルタから郊外の工場区まで、名ばかりの高速道路を使って顧客訪問する身にはつらい。多くの家族を持つ工場の日本人駐在員も朝早くに自宅を出て、夜遅くに帰宅する毎日だ。片道数十キロで3時間以上通勤にかかる。おのずと移動の車内は仕事の場と変わるのだが、これがまたいけない。モバイルWi-Fiを利用しても十分なスピードが出ない上、帰宅時にはインドネシア従業員がモバイル端末でバイクタクシーを一斉に呼ぶものだから通信回線も安定しない。道路上でよく見掛ける警察車両に先導されて、無理やり他車を押しのけていくような方法でもあれば別なのだが……。
情報コンプライアンスという暴力
先日、インドネシアで工場経営を始めて約40年という老舗日系企業の工場にお邪魔した。社名を出せば誰もが知っている有名企業だ。アスプローバ(当社)のシステムは、顧客の基幹システム導入が落ち着いたタイミングで検討してもらえることが多く、昨年(2017年)日本本社の指示で導入したというERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)の状況をヒアリングしに訪問したのだ。
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