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IoTの開発現場で考慮すべき「高信頼化機能」とは何かつながる世界の開発指針(3)(1/3 ページ)

「つながる世界」の実現に向けては、経営層を含めた課題共有や全体としてのリスク対策が欠かせない。そして、実際の開発現場では「高い信頼性」実現が必要なる。この「高信頼化」の概略と、スマート工場を例にした実装例を紹介する。

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『つながる世界の開発指針』の実践に向けた手引き[IoT高信頼化機能編]

 情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)が公開した「つながる世界の開発指針」(2016年3月公開)とは、IoT機器やシステムの安全安心を確保するために考慮すべき要件を、経営層や開発者向けに分かりやすく整理したものである。前回は(つながる世界の「安全安心」に向け、考慮すべき17の項目)はこの「つながる世界の開発指針」の概要と、安全・安心の実現に向けた検討すべき17の事項を紹介した。

 今回は、「つながる世界の開発指針」の実践編とも呼べる、「『つながる世界の開発指針』の実践に向けた手引き[IoT高信頼化機能編]」をもとに、IoT(Internet of Thins)機器やIoTシステムの開発現場に焦点を当て、開発時に検討すべき“高信頼化機能”について解説する。


“つながる自動車と住宅”に見る「IoTの高信頼化機能」とは

 最初に「IoTの高信頼化機能」とは何かを説明しよう。

 IPA/SECが召集した「IoT高信頼化検討ワーキンググループ(以下、本GW)」では、IoTの高信頼化機能を「IoT機器・システムが相互に連携する(つながる)環境において、安全・安心を確保するための機能」と定義している(図1)。なお、IoT高信頼化機能の実装位置は、以下の3階層に分類している。

  • IoT機器群であるエッジ層
  • 中間処理群であるフォグ層
  • AI(人工知能)解析などのアプリケーション群であるクラウド層
図1 IoT高信頼化機能の実装イメージ
図1 IoT高信頼化機能の実装イメージ

 本WGでは、「IoTを活用したサービスは、複数の分野を横断的に連携しながら拡大していく」ことに着目し、分野間連携のユースケースを抽出した。そして、分野間連携で起こり得るリスクや脅威を分析することで、高信頼化に必要な要件や機能を導き出した。

 では、実際にどのようなユースケースを想定したのか。代表的な例を紹介する。

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