DMG森精機、専門知識なしで利用できる新しいロボットシステム「MATRIS」発売:導入時のリードタイムを80%短縮
DMG森精機は、プログラミングや専門知識を必要としない、新しいロボットシステム「MATRIS(マトリス)」を発売した。
DMG森精機は2018年3月、プログラミングや専門知識を必要としない、新しいロボットシステム「MATRIS(マトリス)」を発売した。2018年の販売予定数を年間100台としている。
◎編集部イチ押し関連記事:
» オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ
» 腐ったミカンもつぶさずにつかめる「リアルハプティクス技術」搭載双腕ロボット
» 2017年の世界ロボティクス関連市場は日本を除くアジア太平洋地域が最大市場に
MATRIS(Module Automation Transfer Robot Intelligence System)の特長の1つとして、システムを構成する搬送装置やワークストッカー、機外の計測装置、洗浄装置などのモジュール化が挙げられる。サイズを規格化したことで、より自由なレイアウトやカスタマイズが可能だ。仕様・条件によっては導入時のリードタイムを80%短縮し、導入後のレイアウト変更も1日で完了できる。
また、ネットワークでロボットと周辺機器、機械本体をつなぐ制御装置「MAPPSconnected(マップス コネクティッド)」を搭載。ロボットプログラムの標準化により、専門的な技術や知識がなくても、容易にロボットシステムを操作できる。稼働状況のモニタリングやスケジュール、生産工程などの一元管理に加え、計測、搬送、操作などの履歴を蓄積・可視化することも可能だ。
MATRISには、装備のパッケージ化も含まれる。ハンドリングパッケージ(ワークストッカ)やメジャリングパッケージ(機外計測装置)など、ユーザーからの要望が多い装備をパッケージ化して短納期で提供する。
ターニングセンタ、マシニングセンタなど、同社の各種工作機械に対応し、これらの工作機械と同様のサービスやメンテナンスをMATRISにおいても受けられる。また、ロボットに関する講習の開講や、MATRIS導入に当たって必要となるロボット操作の資格取得を同社アカデミーでバックアップするなど、多様なサポートが用意されている。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 「カイゼン」を中心にデータ活用が進む製造業、課題はROIと人材
» 77.3%が“つながる工場”実現に向けて取り組みを開始――経営層も投資に意欲
» PTCはIoTベンダーになったのか? CAD、PLMユーザーに向けたメッセージ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ
オムロンは、「システムコントロールフェア(SCF)2017」(会期:2017年11月29日〜12月1日)の出展社セミナーにおいて、「オムロンが考えるロボット活用によるモノづくり革新」と題し、ここ数年間注力してきたロボット事業をメインに、同社の独自性やロボット活用の進化について語った。 - 産業用ロボットがハックされる!? トレンドマイクロがサイバー攻撃のリスクを検証
トレンドマイクロとミラノ工科大学は共同で、産業用ロボットのセキュリティに関する調査を実施し、産業用ロボットへの不正アクセスの可能性について検証した。その調査レポートを踏まえながら、産業用ロボットのセキュリティリスクについて、トレンドマイクロの上田勇貴氏に話を伺った。 - 産業用ロボットアームの開発プロセスを最適化する設計手法――新規参入でも短期市場投入が可能に
豆蔵と東京農工大学は、産業用ロボットアームの開発期間を短縮する設計手法の実用化に関する共同研究の成果を発表した。産業用ロボットアーム開発での実機試作回数を大幅に減らし、早期市場投入を支援する。現在、豆蔵はロボット領域への取り組みを強化しており、今回の設計手法を軸とした開発支援やコンサルティングの他、自社ロボットの開発なども視野に入れているという。 - 宇宙ロボット技術を製造現場向けパワーアシストグローブに応用――GMが自社工場で試験
GMは、NASAと共同開発した国際宇宙ステーション用のロボットグローブ技術「Robo-Glove」のライセンス契約を、スウェーデンのBioservo Technologiesと締結したことを発表。今後、Bioservo Technologiesは製造業やヘルスケア分野向けに同技術を応用したパワーアシストグローブを展開していく。 - 腐ったミカンもつぶさずにつかめる「リアルハプティクス技術」搭載双腕ロボット
NEDOと慶應義塾大学は、身体感覚を伝送できる双腕型ロボット「General Purpose Arm」を開発。世界初をうたう「リアルハプティクス技術」を搭載したマスタースレーブ方式のロボットで、物体の硬さや柔らかさなどの触覚をありのままに伝えることができる。腐ったミカンの除去(選果)など、実用化に向けた取り組みも進められている。