特集
JPCERT/CCが語る「制御システムセキュリティ」の最新動向と展望:制御システムセキュリティカンファレンス(2/2 ページ)
製造業も被害を受けた、身代金を要求するランサムウェア「WannaCry」は大きな衝撃を与えた。では制御システムセキュリティ(ICS)を取り巻く現状とは一体どうなっているのだろうか?今回で10回目を迎えるカンファレンスから、ICSの「現在と展望」を紹介する。
- ランサムウェアの増加は仮想通貨と関係か
「制御システムセキュリティとランサムウェア」というテーマでは必ずといってよいほど言及されるWannaCryだが、被害規模という観点ではNetPetyaも同レベルの広範囲感染を見せている。WannaCryとNetPetyaはいずれもICSを狙ったものではないが、自己増殖の仕組みを持っていたために爆発的に感染を広げ、結果的に製造業(自動車製造)や交通インフラ(鉄道券売機)などにも感染した。
こうしたランサムウェアは2015年から17年にかけて大量に検出されており、新種の出現も多い。急速な増加について宮地氏は「仮想通貨の普及で身代金が集めやすくなったことも(急激な増加の)原因ではないか」との見解を示した
マルウェア以外の攻撃
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