裏面照射型ToF距離画像センサー、ソニーが商品化:ソニー IMX456QL
ソニーは、1/2型サイズでVGA(640×480画素)の解像度を持つ裏面照射型ToF(Time of Flight)方式距離画像センサー「IMX456QL」を商品化した。2018年4月よりサンプル出荷を始める。
ソニーは2017年12月19日、1/2型サイズでVGA(640×480画素)の解像度を持つ裏面照射型ToF(Time of Flight)方式距離画像センサー「IMX456QL」を商品化、2018年4月よりサンプル出荷を始めると発表した。この素子を搭載したカメラモジュールは、約10mから約30cmの広い範囲で、高精度な測距を行うことが可能となる。
新製品は、2015年に買収したSoftkinetic Systems(現Sony Depthsensing Solution Holding)のToF方式距離画像センサー技術と、ソニーの裏面照射型CMOSイメージセンサー技術を融合した、初めての「DepthSense」製品となる。
反射光信号の読み出し精度を向上させる画素技術と、裏面照射型の画素技術を融合することで、画素の有効開口率を改善した。これにより、集光効率が向上し画素サイズを10μm角まで小型化することが可能となった。
また、感度を高める駆動モードを搭載することで、約10mの遠距離においても高い検出率を達成した。近距離での距離精度も高く、1m測距時は6mm(環境光2klux、光源強度は平均104mW、変調周波数100MHz、光源波長850nm時)である。
さらに、新製品は距離画像をフレーム単位で取得できる。このため、レーザーによるスキャン方式に比べて、高いフレームレートで撮影することができ、動体ひずみを抑えることができるという。
ロボットやドローン、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などにおけるジェスチャー認識、物体認識、障害物検知などの用途に向ける。
新製品のサンプル価格(税別)は3000円で、量産出荷は2018年11月を予定している。なお、新製品のサンプル出荷に合わせて、カメラ開発を容易にするソフトウェア開発キットを提供する予定である。
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