東芝アナリティクスAI「SATLYS」の実行環境を構築し、開発・評価を実施:東芝デジタルソリューションズ/デルテクノロジーズ
東芝デジタルソリューションズは、ミッションクリティカル領域でのAIサービスについて、米デルテクノロジーズと技術協業することを発表した。
東芝デジタルソリューションズは2017年11月、米デルテクノロジーズと、ミッションクリティカル領域でのAI(人工知能)サービスについて技術協業することに合意したと発表した。
今回の協業で両社は、デルテクノロジーズ傘下のDell EMCのサーバ、ストレージ、Virtustreamのクラウド技術で構成される環境上に、東芝アナリティクスAI「SATLYS(サトリス)」の実行環境を構築する。予防保全や防犯、防災、輸送品質向上といったミッションクリティカルな領域では、所定の性能や機能の継続的な維持が求められるが、同領域でのAIサービスに求められる性能や機能について、この実行環境で開発・評価を実施する。
Dell EMCとVirtustreamの技術は、IT基盤として、クラウドやアナリティクス、SDDC(仮想化されたインフラストラクチャをサービスとして提供するデータセンター)などに適している。SATLYSは、東芝デジタルソリューションズが同年10月30日に発表したAIサービスで、検査データ、センサーデータなどの解析ソリューションを提供し、高精度な識別や予測、要因推定、異常や故障予兆の検知などを可能にする。
産業IoT(モノのインターネット)では、広くAIが活用されている。特に、ミッションクリティカルな領域では、実行環境として信頼性が高く、システム停止が起こりにくく、セキュリティ性に優れた環境が必要となる。両社は、それぞれの事業分野でミッションクリティカルな領域に適用可能なAIサービスの新たな事業拡大を図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- プラントの“スマート化”を実現するサービス、AIを活用した予知保全も
村田製作所と千代田化工建設は、両社が培ってきたセンサーネットワーク技術とプラントエンジニアリング技術を融合させた「プラントスマートIoTサービス」を開発し、提供を開始した。 - 故障予測アルゴリズムを活用した、生産設備の余寿命推定サービスを実現
日立パワーソリューションズは、生産設備の生産効率向上を支援する予兆診断ソリューションに、余寿命推定サービスを実現した予兆診断システム「HiPAMPS-PRO」を新たに追加。2017年12月1日から日本を含めたグローバル市場で提供を開始する。 - FA機器のAI/IoT化計画――2020年までに完了目指す
オムロンは各種FA機器に最適なAIアルゴリズムを搭載し、熟練技術者の知見や勘をAIに置き換えることで製造業が抱える課題を解決し、“機械が人の能力、創造性を引き出す”未来のモノづくり現場の実現に取り組んでいくことを発表した。 - ブームのさなかにあるAI(人工知能)、2017〜2020年の真の実用性を考える
実用的で一般企業でも使えるAI(人工知能)技術は何か? 今現在(2017年)、そして2〜3年先(2020年)という観点で2つの技術を取り上げる。 - 製造業のAI利用は「品質管理」から、教師データ構築が課題に
製造業からの関心も高いAIシステムだが、日本国内においてはホワイトカラー向けデジタルアシスタント、製造業向け品質管理といった用途に向けた市場が形成されつつある。成長率は高く、2021年には2500億円を超える市場規模に。IDC Japan調べ。