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Excel「アングラPLM」の限界、製造業に高まるプラットフォームの必要性:Zuken Innovation World 2017(2/2 ページ)
「ビジネスのデジタル化」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」などの言葉は製造業でも無縁なものではない。自動運転車のような先進事例に対応していくためには、設計や情報管理のやり方も変わらなくてはならないとアラスジャパンの久次氏は訴える。
DS-2とも連携するAras Innovator
久次氏が次いで強調したのが、「ツール」と「プラットフォーム」の位置付けを明確にすることだ。
MBSEは要求/機能/ロジックを定義する手法であり、CADやCAEなどはエンジニアリング作業を行うツールとして認識され、いずれも重要ではあるが、何より大切なことはそれらを相互に連携させさまざまなエンジニアリング業務を円滑にかつ、連続性を保ったままつなぐことである。これまではCADやCAEなどのツールが、その機能の延長線としてデータ管理機能を提供してきたが、ここまで開発の複雑さが増している現在、個別ツールのデータ管理機能だけではメカ・エレキ・ソフト・ハードなど多岐に亘るデータの連続性を維持・管理することは非常に困難である。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» DMG森精機の「CRPプロジェクト」が推進する日独統合
» 「基板」単位ではなく「機能」単位による製品開発を実現したオリンパスの取り組み
» 【実録】製造部門主導で推進する新PLM導入プロジェクト
» 自動設計環境の構築に向けたエリオットグループの取り組み
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