USBデータロガー機能を1チップ化した32ビットマイコン:ラピスセミコンダクタ ML630Q464/466
ラピスセミコンダクタは、USBやクロック発生機能、LCDドライバ、RC発振型A-DコンバーターなどのUSBデータロガーに必要な機能を内蔵した、32ビットマイコン「ML630Q464/466」の量産を開始した。
ラピスセミコンダクタは2017年3月、USBデータロガーに必要な機能を1チップに集積した32ビットマイコン「ML630Q464/466」の量産を開始した。USBやクロック発生機能、LCDドライバ、RC発振型A-Dコンバーターなどを内蔵し、A4サイズ縦方向1ページ2500測定ポイントのPDFファイルを約4秒で生成できる。
荷物を輸送中の温度、湿度、衝撃などを管理するデータロガーは、荷物の中に設置され、使い捨てにされることが多い。また、生鮮食品や医薬品を生産から消費まで低温に保つ物流方式が拡大し、これに対するFDA(米国食品医療局)の法規制やGDP(医薬品の適正流通基準)といったガイドラインの運用などから、輸送中の荷物の状態を確実に記録することや、記録(ログデータ)の改ざんを防ぐ編集不可能なPDFファイルの出力が必要となっている。
コイン電池1個で約380日間動作
ML630Q464/466は、コイン電池1個で約380日間の動作が可能。休止状態時の消費電流を0.8μAに抑えた。また、高精度なRC発振型A-Dコンバーターを内蔵し、サーミスターと抵抗・コンデンサーのみで±0.5℃の精度で温度を測定できる。AES機能と乱数発生器も搭載しており、ユーザーが開発したAES暗号化プログラムと組み合わせることで、パスワード付きPDFファイルの生成も可能になった。
同社では、ML630Q464/466による開発をサポートする「USBデータロガーレファレンスキット」を提供。ML630Q466レファレンスボードを使用した測定結果では、国際電気標準会議の規格IEC 61000-4-2に準拠した試験電圧レベル4を超える測定機器限界の±30kVをクリアしたという。
サンプル価格は700円で、両製品とも既に量産を開始している。
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