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ARMによる悪魔の証明TechFactory通信 編集後記

Same!Same!Same!Same!と買収されたARMは強調しますが、さて。

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TechFactory通信 編集後記

この記事は、2016年12月12日発行の「モノづくり総合版 TechFactory通信」に掲載されたTechFactory担当者による編集後記の転載です。

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 「ないことの証明は困難である」という意味で、「悪魔の証明」という言葉を使うことがあります。単にうたぐり深いだけなのかもしれませんが、「変わらないので安心して欲しい」といわれて、「はいそうですか」と簡単には信用できないのは記者根性なのかもしれません。

 ARMのエンジニア向けプライベートイベント「ARM Tech Symposia 2016 Japan」が行われ、基調講演に登壇したExecutive Vice President兼CCO(Chief Commercial Officer)のRene Haas氏は開口一番、ソフトバンクによる買収に言及し、ARMのビジネスモデルや製品ロードマップに変化はないことを強調しました。

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ARMのビジョンについてプレゼンテーションするRene Haas氏。「Same people」「Same strategic focus」「Same brand」「Same partnership-baesd business Model」と「Same」を4つならべる強調っぷり

 Haas氏は買収されたことにより「経営は安定し、より開発を加速させることが可能となり、ARM単独では参入が難しかった市場へも積極的に関与できる」とそのメリットを強調します。買収という言葉を使うと「経営権を他社に奪われる」というニュアンスが強く出るためにマイナスイメージが先行します。しかし、上場企業は決算ごとの利益を求められるため、年単位でのロングスパン収益を狙う企業にとって必ずしも上場は適した形態ではありません。

 設備投資に資金が必要となる製造業によって、株式非上場化は必ずしも経営の拡大を目指す上で適した手法と言えないことは事実ですが、ARMは知られるようにIP(知的財産)の開発とそのライセンスに特化した企業であり、製造業に深い関係を持つ企業ながら大掛かりな製造設備を必要としない企業です。

 買収前もARMの経営は安定したものでしたが、その安定した業績は過去に開発したIPによってもたらされたものであり、全く同じやり方でIoTという大きな変革の中でその安定した業績を保ち、さらには競争力を高めることができるか、首脳陣が不安を覚えていたとしても不思議はありません。

ARMとソフトバンクが共に描く絵

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