2020年に189億ドル規模へ
“Internet of Medical Things”の成長を促す医療用ウェアラブルデバイス
フロスト&サリバンは、一般消費者向けの“健康管理用ウェアラブルデバイス”と、“医療・臨床グレードウェアラブルデバイス”を対象にしたリサーチ分析「医療用ウェアラブルデバイスの戦略分析」を実施。その概要を発表した。
ウェアラブルデバイス市場は、「スマートバンド」に代表される活動量計や睡眠計などの機能を持つ、一般消費者向け健康管理用ウェアラブルデバイスが市場をけん引し続けている。
矢野経済研究所の調べによると、2015年のスマートバンド市場規模(メーカー出荷台数ベース)は4637万台といわれ、スマートウォッチやスマートグラスといった他のウェアラブルデバイスの中で最も出荷台数を伸ばしている。特に、米国での米国医療保険制度改革法(オバマケア)による需要増と、中国大手スマートフォンメーカーが発売した低価格スマートバンドの普及が、2015年のスマートバンド市場の成長に寄与しているという。
一方、専門機関などの認可・認証を受けた医療・臨床グレードウェアラブルデバイスの進化は、医療ケアのサービス提供モデル(場所や時間に縛られないサービスなど)を変革し、新たな商用ソリューションの誕生や需要の高まりに伴い、同市場の大きな成長が予測される。そして、同時にこうしたウェアラブル技術の進化が、今後の医療分野におけるIoT「Internet of Medical Things(IoMT)」の成長をけん引していくものと期待されている。
市場調査やコンサルティングなどを手掛けるフロスト&サリバンは、一般消費者向けの“健康管理用ウェアラブルデバイス”と、“医療・臨床グレードウェアラブルデバイス”を対象にしたリサーチ分析「医療用ウェアラブルデバイスの戦略分析」を実施。その概要を2016年7月21日に発表した。
医療用ウェアラブルデバイス市場の推移と予測
これによると、2015年から2020年にかけて年平均成長率(CAGR)29.9%で医療用ウェアラブルデバイスの世界市場は成長し、市場規模は2015年の51億ドルから2020年には189億ドルに成長する見通しだという。一般消費者向け健康管理用ウェアラブルデバイス市場については、2015年から2020年にかけてCAGR27.8%、医療・臨床グレードウェアラブルデバイス市場については、同CAGR32.9%で成長する見込みだとしている。
医療・臨床グレードウェアラブルデバイス市場では、センサーや代替電力源、ワイヤレス通信など、あらゆる技術要素の進化により、広範囲の臨床症状に対応した臨床目的の新しいウェアラブルデバイスが作り出されているという。対して、一般消費者向け健康管理用ウェアラブルデバイスは膨大な市場機会を提供する一方で、厳しい市場競争や限定された製品ライフサイクルなどの課題を抱えている。そのため、ウェアラブルデバイスの開発企業はこうした現状を踏まえた上で、より高い適合性や安定性を備えた医療・臨床グレードウェアラブルデバイスの開発に向けて多額の投資を行っているという。
フロスト&サリバンは、現在市場に出回っている多くのウェアラブルデバイスは期待されたレベルで市場をけん引できていないと指摘。特に、ユーザーの利用を妨げている要因として、設計の多重化や複雑な仕組みといった側面を挙げる。デバイスの適切な操作方法の理解やメンテナンスに必要とされる労力が、継続的な利用を妨げる(利用開始から数カ月後に利用を止めてしまう)大きな要因になっていると分析する。
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