大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
IntelがPSG(FPGA部門)を独立させる本当の理由(2/3 ページ)
で、問題はこれがどうなったか、だ。そもそも図1/図2は数年先のロードマップであり、短期的にはIntelの14nmを利用したStratix 10が2016年中に登場、本格的に展開……するはずが、されなかった。2016年8月にTape outし、2016年第4四半期に出荷開始とアナウンスされていたが、このタイミングで出荷されたのはEarly Access向けのサンプル品であり、量産出荷は2017年10月まで伸びた。おまけに2017年というのはIntelの14nmプロセスがひっ迫し始めた時期であり、Stratix 10の出荷も順調とは言えなかった。悪い事にこのひっ迫は2019年になっても解消しておらず、Stratix 10の出荷に大きな影響を与えた。何で14nmプロセスがひっ迫したか、というとIntelが10nmプロセスの立ち上げに失敗したためだ。このためコンシューマ向けのCore、サーバ向けのXeon共に14nm世代のままで、ただし競合であるAMDが微細化のメリットをフルに生かしてコア数や性能を引き上げたのに対抗すべく無理やりコア数を増やしたことでダイサイズが巨大化、1枚のウェハから取れるチップの数が減り、より多数のウェハを必要とするという状況に陥ったためである。
もっと問題なのは、10nm世代の立ち上げにおおよそ3年ほど遅れた事だ。これはStratix 10の後継であるFalcon Mesaを直撃することになった。ちなみにStratix 10の競合はXilinxのVirtex Ultrascale+になるが、こちらは2016年末から量産出荷を開始。そしてFalcon Mesaの競合はVersalになるわけだが、こちらは2019年に量産出荷を開始している。この結果、大規模なFPGAを必要とするマーケット(例えば携帯電話の基地局とかCTスキャナ/MRIなどの大規模医療機器、100GbpsのEthernetなど)でのAlteraというかPSGのプレセンスが急激に落ちる事になってしまった。顧客にとってみれば、PSG頼りだと前世代の製品しか提供されない、という状況に陥ってしまったわけで、大容量のFPGAを使ってFPGAの個数を減らしたいのにそれがかなわない(あるいはある機能を実装するにあたり、複数のFPGAに機能を分割して実装する必要がある)という状況になってしまった。これでは顧客が逃げても仕方がない。
こうなってくると、データセンター向けもどこまで採用されているのか怪しい、という話になってくる。先にちょっと触れたIntelのPAC、2019年に登場したPAC N3000/D5005が最後になっている。搭載されているのはStratix 10で、Falcon MesaことAgilexを搭載したPACに関しては今もって未発売のままで、計3製品しかない。一方Xilinxというか現AMDは、最初に投入したのは2018年のAlveo U250でIntelから1年遅れであるが、現在では随分ラインアップを増やしている。
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