大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
IARのCEO解任に見る業界再編/FD-SOIの今後(3/4 ページ)
FD-SOIの今後は?
Globalfoundriesは2021年10月4日にIPOを申請、10月27日に株式公開を果たした。まあそのIPOはいいのだが、ちょっと気になるのが同社のFD-SOIの今後である。SOI全体で言えば非常に好調であり、昨年にはSOITECと長期間のSOIウェハに関する供給契約を結んだりしているほどだが、ただ実際には内訳をみると、この好調な需要のほとんどがRF向け(RFSOI)である。同社はコストパフォーマンスのよい7RF SOI(180nm Node)から高性能の45RFSOI(45nm Node)まで5種類のFD-SOIベースのRF向けプロセスを提供しており、TowerJazzと並んでRF向けSOIプロセスを提供する2大ファウンダリとしてのポジションをほぼ確立したとしてよい。
それはいいのだが、問題はFD-SOI周りである。今回のIPOにあたってSECに提出したForm F-1を見ると、9~10ページにかけて図1のような記述がある。
要するに同社の差別化技術は? という話だが、トップがRF SOI、次が16/12nm FinFET、次が従来型CMOSで、FD-SOIは4番目でしかない。同社がFD-SOIにどの程度力を入れているか、の程度がこれで知れようというものだ。
かつて同社は現在の22FDXというFD-SOIプロセス(22FD-UHP)に3つの派生型を用意すると説明していた。22FD-UHPそのものは14/16nmプロセスと同等の性能をより少ない消費電力で実現するという話だったが、これに加えて
- 22FD-ULP:Body Biasを利用して最低0.4V駆動が可能。28nm HKMGプロセス比で平均50%、最大70%の消費電力削減が可能
- 22FD-ULL:22FD-ULPにマスクを1枚追加し、リーク電流削減に特化した低消費電力向け。リーク電流を1~10pA/μmに抑えられるとする
- 22FD-RFA:22FD-UHPにRF向け対応としたもの
があったはずだが、いつの間にか22FD-RFAがどこかに消えてしまい、RFはRF SOIに集約される形になってしまった。さらに言えば、2016年にはその22FDXに加えて12FDXというプロセス微細化版が投入予定と発表されたが、その話題が同社から出たのは2019年が最後である。同年のSemicon Westにおいて、同社は12FDXの開発作業を「再開する」と表明したが、そもそも顧客からの12FDXへの要望がほとんどなかったようで、この結果としてもう12FDXはなくなった、と考えた方が妥当そうだ。
FD-SOIを供給するもう一つのベンダーがSamsung Electronicsであるが、同社が10月7日に開催したSFF(Samsung Foundry Forum)2021において、新たにFinFETベースの8nm RF(図2)を追加するとともに、MCUなどの従来FD-SOI向けと思われていた用途にもFinFETを投入していく(図3)ことを発表した。
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