大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
IARのCEO解任に見る業界再編/FD-SOIの今後(1/4 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2021年10月の動向から「IARのCEO解任」と「FD-SOIの今後」についてお届けする。
今回は2021年10月の動向から「IARのCEO解任」「FD-SOIの今後」という2つの話題をお届けしたい。
IARのCEO解任に見る業界再編?
スウェーデンのIAR Systemsは2021年10月18日、同社取締役会がCEOであったStefan Skarin氏を解任したことを突然に発表した。ちなみにこのニュース、同社のNewsページではなく、投資家向けプレスリリースにのみ掲載されている。解任の理由は一切説明がなく、後継が決まるまでの間はMicrosoftのIoT部門のCTOなどを務め、IARの取締役会にも2019年から名前を連ねているRichard Lind氏が暫定CEOを務める事が発表されている。
CEOが解任されること自体は珍しくない。それはCEOの不品行(例えばこれ)の場合もあるし、業績が芳しくないために解任というのはまあ一般的である。ただ前者であれば、簡単ではあってもその理由が書かれるのが普通だし、後者であれば決算報告とかを見れば自ずと理由が分かる。ところがIARの2020年度は3億7200万SEK(約46億9000万円)の売り上げと8380万SEK(約10億4500万円)の営業利益という、規模を考えれば十分に優秀な成績である。つまり、今回の解任はどちらの理由にも該当しないことになる。
なぜ解任されたか?
ではなぜ? という話だが、こうなると普通に考えられる理由は「取締役会と意見の相違が決定的になったから」という事になる。実際リリースにも会長のメッセージとして
the board can take the time to find the right leader for the next phase in IAR's development. To take that step, IAR needs new leadership, an updated sales strategy and an improved sales organization
としている。取締役会は何らかの決断をし、それにSkarin氏が抵抗した結果が解任、というのは非常に納得がゆく。
では取締役会は何を決断したのか? 普通に考えやすいのは、IARの買収提案をどこからか受け、それが非常に魅力的だったという辺りだと思う。一方のSkarin氏は、IARが独立系ベンダーとしてやっていく事を常々強く主張する人だった、というのは知る人ぞ知る話ではあるが、まあ彼の元に買収提案がきても(何としても理由を付けて)それを拒絶しただろう、というのは容易に想像がつく。その結果が、合理的(?)に買収提案を判断できるCEOへの交代、というのはいかにもありそうな話である。
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これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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