組み込みAI
ET2017にみる「組み込みAI」への遠い道のり(1/3 ページ)
AIが組み込み機器にもやってくる――。2017年は各社が「組み込みAI」の実現に向けて取り組んだが、どれほどの進みをみせたのだろうか。Embedded Technology展(ET2017)の会場から推察する。
2017年の年頭、MONOistに「芽吹くか『組み込みAI』」と題した記事が掲載された。この記事では2016年の動向から2017年の方向性を模索しているのだが、それから約1年が過ぎて何らかの進展はあったのだろうか。Embedded Technology展(ET2017、2017年11月15日~17日)の会場を確認してみた。
「AI」の文字は目立ったが……
ET2017のフロアマップ(Photo01:PDF版はこちら)をみると、左下に「組込みAI活用ゾーン」が用意されているのが分かる。ここには組み込みAIを応用した製品やソリューションがあるのか、と思わず期待したくなるわけだが、それは後回しにしてまず全体の話を。
ET2017全体として見ると、富士通(Photo02)やNEC(Photo03)、マクニカ(Photo04)などの大手はさも当然の様に「AIソリューション」を示してきた。Xilinxなどチップベンダーも「自社FPGAを使うとAIを高速化できる」といった展示とデモを行っていた。
ただ、どの展示にしても「組み込み向けのAI」というよりは「既に提供している(しようとしている)AI向けの基盤を、簡単に組み込み向けにも利用できます」というレベルから脱却していない。ターゲットデバイスもFPGAやそれなりのプロセッサを使ったものが多く、組み込み向けといっても結構なコストと消費電力が許される用途向けといったところ。ことさらに「組み込み向け」と言うほどには感じられなかった。
これら展示は比較的パワーのある汎用プロセッサもしくはFPGAがターゲットとなっており、AI向けアクセラレータはもとより、GPUやDSPの例も見なかった。こうした用途であればGPUといってもNVIDIA「Jetson TX2」の様なハイエンドではなく、ローパワーなモバイル向けSoCでも十分なはずだが、それも見なかった。
例えば(最近身売りされてしまったが)英Imagination Technologyは2016年5月に、IntelのAtom SoCに内蔵されたPowerVR G6430を利用した画像認識のデモを行っているし、他にもPower VRやMaliといったGPUを搭載したSoCは多く存在する。
これら組み込みに適したSoCを利用した機器が何かしら見られるかと思ったのだが、残念ながら皆無。辛うじてRaspberry Piを利用してSVM(サポートベクターマシン)を動かしている例が一箇所で展示されていただけである。
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