CAD、CAE環境をVDIへ移行するための手引き(3)
デスクトップ仮想化「導入までの流れとポイント」【前編】(3/3 ページ)
2つ目のポイント:グルーピングで運用の労力が決まる
2つ目のポイントは“グルーピング”である。グルーピングとは、利用者と利用アプリケーションをひも付け、類似性により分類する作業である。
まず、利用者を役割や担当業務といった切り口で分類する。そして、分類ごとに利用アプリケーションを調査していくことがグルーピングの近道である。
PCやワークステーションでは、複数の端末に同じ環境を簡単に構築するために、「マスター」と呼ばれるOS、アプリケーション、データ、設定の集合体を作る。デスクトップ仮想化においてもマスター同様の「テンプレート」を作り、グルーピングにより作成されたグループごとにテンプレートを割り当てることになる。テンプレートが管理単位になるため、テンプレートの数が少なくなればなるほど管理工数を削減できる。つまり、グルーピングは運用の省力化を実現するための極めて重要な作業といえるであろう。
ここで、グループごとに必要とされるアプリケーションを調査するためにはどうすればよいのか頭を悩ますことになる。利用者に端末の管理者権限を与えていない場合は、そもそもアプリケーション情報を収集する必要はない。利用者に管理者権限を与えている場合、端末にインストールされたアプリケーション情報は運用管理ツールなどで容易に収集できる。しかし、収集された数千本以上のアプリケーションのリストから要不要を区別できる管理者はいない。せいぜいゲームや年賀状作成ソフト、競馬予想ソフトを不要と判断するくらいが関の山である。
そこでお勧めしたいのが、“べき論”から導くトップダウン的アプローチである。システム管理者が提供するアプリケーション群、いわゆる全社アプリは利用者ほぼ全員が利用するものである。これを礎として、役割や担当業務で必要なアプリケーションを付加していく方が合理的である。本作業はどう足掻いても利用者側の協力が不可欠であり、早々に利用者にインタービューするのが本作業の最短経路。急がば回れである。
設計環境の場合、デジタルエンジニアリングに関わるアプリケーション管理の主体がユーザー部門となることから、情報システム部管理のアプリケーション環境をホストするデスクトップと、設計環境をホストするデスクトップの分離をお勧めする。デスクトップ環境を分離することで、管理のポリシーが異なる環境をうまく使い分けることができ、運用もしやすくなる。このようにデスクトップを分けることができるのがデスクトップ仮想化の長所である。
設計環境で管理すべきデジタルエンジニアリング関連アプリケーションの数は、そう多くないはずである。このため、設計環境のグルーピングはさほど困難ではないが、CADアプリケーションの利用スタイルによりグループを分けることを推奨する。というのも、設計目的のCAD利用者と、図面の参照しかしないCAD利用者ではGPUに対するリソース要求のレベルが異なるからだ。初期導入コストを抑えるためには、リソース分配の適材適所を心掛ける必要がある。同じCADアプリでも利用スタイルにより実装方針を変えることで、コスト圧縮を図ることも選択肢の1つに入れておきたい。
次回お届けする【後編】では、3つ目のポイント:実装方針の決定から実環境における検証までを解説する。(**次回に続く**)
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CAD、CAE環境をVDIへ移行するための手引き
設計・解析の現場でも、デスクトップ仮想化の一方式であるVDIに対する関心が高まっている。連載「CAD/CAE環境をVDIへ移行するための 手引き」では、VDIの基礎解説や導入メリット、運用ポイントなどを分かりやすく解説していく。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[デスクトップ仮想化][VDI][CAD][CAE][導入][運用][移行]
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