宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(98)
もう一度、自分ごととして考える「標的型攻撃」の脅威(2/2 ページ)
対策は?
では、どうしたら防げるのでしょうか。まず、標的型攻撃全般の対策を見てみましょう。トレンドマイクロはこの対策に「アタックサーフェスの見直し、最小化」を挙げています。経済産業省では「ASM(アタックサーフェスマネジメント)導入ガイダンス」の資料を公開しており、誰もが参照できるようになっています。
「アタックサーフェスマネジメント」という言葉は、実はかなり広い範囲の対策を示しているため、単なる「資産管理」とは異なる点に注意してください。このあたりのお話については、SBテクノロジーのブログ記事(筆者はアイティメディアのセミナーなどでもおなじみの辻伸弘氏)の中で、アタックサーフェスマネジメントに関する非常に有益な情報が掲載(前編/後編)されていますので、ぜひご覧いただければと思います。
加えて、直近では前述のアースハーピーが用いたような、出張者に対するガバナンス強化が必要でしょう。海外出張では充電を含め、むやみに街中のUSBコネクターに接続しないことが重要です。特にホテルなどでは、部屋に設置されたUSBコネクターからの充電ではなく、面倒でも自分で用意した充電器経由で充電を行いましょう。おそらく、ほとんどの企業で公衆Wi-Fiの接続は禁止されているかと思います。USBの利用についても、同じように考える必要があるといえます。従業員も「自分が狙われることはないと思わず注意する」こと、「狙われているのは組織全体である」ことを肝に銘じながら正しい行動を心掛けましょう。
こうした脅威に備える企業では、海外出張、特にアジアへの出張の際に、「出張専用のPC、スマートフォンを持たせ、帰国したら初期化する」という運用を行っていると聞きます。標的型攻撃が当たり前になった今でも、本当の標的型攻撃は残っています。そして、それは大企業だけの話ではなく、中小企業も“標的”になっているのです。今回ピックアップした事例を、ぜひ自分ごととして考えられるよう、情報のアンテナを張り巡らせておくことは、時間の無駄にはならないはずです。
著者紹介:
宮田健(みやた たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
2019年2月1日に2冊目の本『Q&Aで考えるセキュリティ入門「木曜日のフルット」と学ぼう!<漫画キャラで学ぶ大人のビジネス教養シリーズ>』(エムディエヌコーポレーション)が発売。スマートフォンやPCにある大切なデータや個人情報を、インターネット上の「悪意ある攻撃」などから守るための基本知識をQ&Aのクイズ形式で楽しく学べる本です。
筆者より:TechFactoryでの本連載では、ITセキュリティの「あるべき論」「正論」だけでなく、モノづくりに携わる方たちに「気楽に」「楽しく」セキュリティを考えていただけるように、さまざまな話題を取り上げたいと思います。「セキュリティっていわれてもねえ……」と思わず考えてしまった皆さんに覚えていただけるようなコラムにしたいと思います。お楽しみに!
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宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届けします。
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