矢野経済研究所
2022年度末、国内製造業における次世代モニタリングシステムの普及率は42.1%
矢野経済研究所は、IoT関連技術を活用した遠隔監視のためのシステム(=次世代モニタリングシステム)に関する調査を行い、その結果概要を発表した。
矢野経済研究所は2019年2月25日、IoT(Internet of Things)関連技術を活用した遠隔監視のためのシステム(=次世代モニタリングシステム)に関する調査を行い、その結果概要を発表した。
同調査で定義されている次世代モニタリングシステムとは、IoT関連技術を活用した遠隔監視システムのこと。センサーネットワークやM2Mなどで収集した膨大なデータを、クラウドやビッグデータで集積し、解析/アナリティクス/AIといったテクノロジーを用いて分析、判断、評価を行う仕組みを意味する。
従来型の遠隔監視と次世代モニタリングの違いは“データの扱い”
矢野経済研究所は、国内工場および製造分野における次世代モニタリングシステムの2017年度末時点の普及率を21.1%(103工場、分母は従業員規模1000人以上企業の487工場)と推計する。最近では、工場の新設および設備更新のタイミングで、次世代モニタリングシステムを組み込んだ製造設備を導入する動きも見られ、今後さらに件数が増加すると考えられる。これを受け、矢野経済研究所は2022年度末時点の普及率を42.1%(205工場)と予測する。
近年、次世代モニタリングシステムの導入により、「状態監視/稼働の見える化」「データ収集、記録」といった従来フェーズの実現だけではなく、「保全業務の高度化(予防保全など)」「業務効率化(開発、製造、保全)」「製品開発/顧客サービスへの反映」といったその先の取り組みも可能になってきた。
従来型の遠隔監視から次世代モニタリングへの変遷を見た場合、最大のポイントは“データの扱い”であるという。従来型の遠隔監視はデータ収集が主目的であったが、次世代モニタリングの場合は収集データを活用することがポイントであり、この点に最大の特徴があると矢野経済研究所は分析する。
工場や製造分野では以前から遠隔監視を実施していたが、多くの場合、収集したデータは中央監視室などの工場内にとどまっており、現場データの工場外への持ち出しやクラウド活用といったアプローチはごく一部に限られていた。
しかし、2010年以降、特に設備保全業務においてITモニタリングを活用するケースが増加傾向にあり、産業機器メーカー主導でITモニタリングを行う事例が特に増えているという。保全業務は、生産性向上/稼働率アップや安全性向上のために不可欠な業務である半面、できるだけ保全コストを抑えたいというニーズもある。こうした双方の要求を満たすものとして、ITモニタリングへの期待は大きい。
工場や製造分野で既に次世代モニタリング導入が進んでいるユーティリティー設備に加え、短期的には大型や高額、高速な生産設備/機器での採用が進む見込みである。また、工場の新設および設備更新時に、次世代モニタリングシステムを組み込んだ製造設備を導入する動きも顕在化してきている。これらの動きに触発され、製造業向けのサービスタイプのビジネスモデルが創出され始めており、そこでの次世代モニタリング需要が大きく期待される。
そして、2030年以降は、ほぼ全ての製造機器/設備でのサービスビジネスモデルの採用が実現すると考えられるという。ユーザー企業における採用動向を見ると、2020年ごろまでは売上高3000億円以上の大企業が主導するが、2020年ごろからは大企業での成功が前提にはなるが、売上高500~3000億円の中堅、準大手メーカーへの浸透が見込まれる。その後10年ほどは中堅メーカー以上のレイヤーで普及期となり、さらに2030年ごろからは、中小メーカーを含めたほぼ全ての製造業でITモニタリングの活用が実現すると考えられ、本格的なデータ活用時代に移行するとみられている。
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