TechFactory通信 編集後記
スペック表からは見えない、ハードウェアの“こだわり設計”
ワークステーションを見る目が変わりました。
最近、製造現場でもAR/VRを活用したデザインレビューが試験的に行われていたり、ディープラーニングを用いた外観検査を生産ラインに導入したりなど、コンピュータの処理能力が求められる高度な利用が進みつつあります(関連記事:日産も導入を検討、CADデータに触れられる3Dデザインレビューシステム)。
こうした高度な処理で活躍するのがワークステーションです。モノづくりの現場では、3D CADやCAEの利用においてワークステーションが用いられていますが、今後は前述のような利用でもワークステーションの活躍の場が広がっていくのでしょう。
スペック表からは見えない、ハードウェアの“こだわり設計”
実際、3D CADベンダー各社も3Dデータのさらなる活用ということで、AR/VRに関連したソリューションや機能を発表しており、ちょっとしたトレンドになりつつあります(関連記事:SOLIDWORKSのCADデータをAR空間で、新アドイン「SOLIDWORKS Xtended Reality」)。また、多くのコンピュータリソースを必要とするCAEに関しても「設計者CAE」での利用を目的としたリアルタイム解析ツールなども登場しており、使用するワークステーションの性能や信頼性はますます重要になっています。
これまで、3D CADやCAEといったソフトウェアツールを取り上げる機会の多かった筆者ですが、先日、あるハードウェアベンダーの取材をする機会がありました。その会社で開発しているワークステーションなのですが、モノづくりへのこだわりが凝縮されており、とにかく驚きの連続でした。正直、ワークステーションの性能や特長は各社横並びで、「それほど大きな差はないだろう」と考えていました。しかし、製品担当者の話を聞いていくうちに、その考えが全くの誤りだったことに気が付きました。
広告記事に絡む取材だったので詳細は割愛しますが、スペック以上に、故障率の低減に注力しており、効率的な排熱を行うための冷却機構の設計に並々ならぬこだわりを持っているというのです。インタビューに応じてくださった製品担当者の方は「『○○(製品シリーズ名)の特長は何ですか?』と聞かれたら、『冷却機構です!』と言いたいくらいこだわり抜いています」と語ります。他にも、静音性の実現に向けた工夫なども「そこまでやるのか!」というものばかりで、取材が終わるころにはすっかりワークステーションを見る目が変わっていました。
ジェネレーティブデザインやAR/VR、ディープラーニングなどといった技術トレンドや、それらを実装したソフトウェアツールについつい注目しがちですが、これらはハードウェアがなければ動きません。この取材を通じて、ハードウェアの偉大さ、そして、そこにも当然エンジニアたちの“匠(たくみ)の技”が生きているのだなとあらためて感じました。今後ハードウェアベンダーの取材をする際は、スペック面だけでなく、こうした“こだわり設計”の部分を引き出していけたらと思います。
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TechFactory通信 編集後記
「モノづくり総合版 TechFactory通信」に掲載された、TechFactory担当者による編集後記の転載記事一覧です。
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