製造業のIoTスペシャリストを目指そう(4)
製造業へのAI(人工知能)適用で知っておくべき事(1/2 ページ)
AI(人工知能)はその適用範囲を広げ、製造業でも利用され始めています。まずは「製造業におけるAI」について理解することから始めましょう。
はじめに
AI(人工知能)はIoT及びスマート工場における重要な技術要素であることは、あらためて説明する必要もないでしょう。ですが、現状では人の介在が全く無いまま、全てのものづくり改善をAIが実施してくれるわけではありません。
製造業におけるAIとは?
製造業やものづくりを語る文脈にてAIとは、「コンピュータに人間と同様の知能や知識をもたせること(学習すること)」と解釈されます。もう少し具体的に言うと、従来は人が検討して理論を考え、プログラミングすることでルール(条件)を設定したものが、AIは自らがデータを学習し、ルール(条件)を自動的に設定します。
現在、研究と応用が進んでいるAIにはさまざまな種類がありますが、良く耳にするのは「機械学習(人間の「学習」に相当する行為を自動的に行う)」や「ニューラルネットワーク(コンピュータの中で脳に模した仕組みを構築する)」、それに「ディープラーニング(ニューラルネットワークを3層以上重ねる)」といった言葉です。
このディープラーニングは、AIの能力を画期的に革新したいとえるでしょう。このディープラーニングとAIの命綱ともいえるビッグデータの進化により、現在は第3次AIブームとも言われています。今後、実産業で活用され効果が認められれば、ブームから定着へと進んでいくでしょう。
製造現場のAIの活用
AIは、他の技術と組み合わさり、その効果を発揮することが多いと考えられます。特にロボットへの適用や設備や製品の異常検知などは有効ですし、デジタルツインなどの次世代のスマート工場やロボットにおいて、AIが中核の技術になることは間違い無いと思われます。一方、安全/安心が最重要な分野においてはAIの適用は時間がかかる可能性が高いとも考えられます。
ものづくりにおけるAI活用の今後
日本においてはAIそのものの技術は世界に比べ遅れているといわれています。しかしながら、AIを実際の産業に活用し成果を上げている事例は少ない中で、日本のものづくり産業が生き残っていくためには、AIを有効に応用することでコスト削減などの成果につなげることが重要です。日本において、海外で発展してきた技術を実際の産業へ生かすことは得意であり、今回もそこがポイントとなるでしょう。
この第4次産業革といわれる時代においては、従来、人が実施していたオペレーションなどの作業が自動化/AI化されるなど、いわゆる“無くなる仕事”が多数発生するといわれています。この時代の変化を見据えて、ものづくり企業は、人材育成や業務改革にいち早く取り組む必要があると考えられます。
今回の問題
それでは、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題します。今回は、上記のAIのものづくりへの適用についての問題となります。
問題(4)
ものづくり産業へのAIの適用は、今後の必須課題です。しかしながら、AIの特性を理解した上で活用しないと効果に結び付かないばかりか、重大な問題を引き起こすこともあります。次のモノづくり産業へのAI適用について、現段階で最もあてはまらないものを1つ選びなさい。
- CADやCAE等のデジタルデータにAIを適用することで設計コストの削減や開発スピードの向上につなげることが可能となり、ものづくりの設計/開発の改革が推進される。
- 化学プラントにおいて原料の温度、圧力、流量などのプロセスデータから品質を示す「ガス濃度」をディープラーニングで予測し、異常発生が予測された場合に自動で環境設定を変更する。
- 製造現場でリアルタイムで取得したデータから生産オペレーションをAIで最適化するとともに、工場設備の故障予知を実施する。
- 熟練技術者の匠の技をAIが学ぶことで、最適条件で組み立てが実施できるようになり、技術者の能力のばらつきが抑制される。
※本連載の設問が実際のIoT検定にそのまま出題されるわけではありません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造業のIoTスペシャリストを目指そう
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー