TechFactory通信 編集後記
小さく始める製造業IoTが増えていく
いきなり「スマートファクトリー」ではなく、できるところから導入できる製造業IoTの提案が増えています。
「国内IoT市場はまだ未成熟で、成長期は2017年度から」という調査報告書が2017年2月にある調査会社から発表されました。これはITソリューションベンダーやSIerなどを対象とした市場調査であり、製造業におけるIoT導入の動向と必ずしも一致しませんが、肌感覚としてはシックリくるものでした。
「製造業とIoT」という話題を振り返ると、注目を集め出したのは2013~14年かと思います。この頃は「インダストリー4.0」や「スマートファクトリー」といった言葉が注目を集め、続いて2015~16年にはIoT推進コンソーシアムやIVIなどが旗を振り実導入に向けての検討が進められました。
そして2017年、個々の企業からさまざまな取り組みが事業として発表されつつあります。規模はさまざまですが、個人的にはサイバーフィジカルシステム(CPS)の第1段階である情報の「見える化」(モニタリング)を低価格で提供する取り組みが増えているところに、製造業IoTの考えが広まりつつあることを感じています。
製造業IoTの目的の1つとして挙げられるスマートファクトリーを「自律的に最適生産を行う工場」と定義した場合、その達成にはCPSの4ステップである「見える化」「制御」「最適化」「自律化」をスムーズに回すことが求められます。
ディープラーニングを利用した検査システムなどはそこだけを取り上げれば単なる検査業務の見える化であり、業務効率化や改善活動にすぎないという意見もあります。ですが、現場改善の道具(材料)が増えること、CPSの第1段階であることを加味すれば、単なる既存システムの置き換えと断言してしまうのは早計でしょう。
とはいえ、見える化のような手段で現場から得たデータを処理して制御や最適化、自律化に活用するためには「サイバーからフィジカルに戻す」フローが必要であり、技術的にもプロセス的にも、さらにはコスト的にもたやすく導入できるものとはなっていません。特に製造業界において大半を占める中小企業において、CPSを回せる大掛かりな製造業IoTソリューションを一度に導入することは現実的といえません。
そうした意味では、日本システムソフトウェアら3社が提供するPOV(事業化検証)環境の構築支援を月額50万円から提供するパッケージなど「製造業IoTを小さく始める」サービスやパッケージの提供は今後ますます盛んになっていくと思われます。
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TechFactory通信 編集後記
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