「業界初」ISO 26262準拠のTCL1ドキュメント:ケイデンス・デザイン・システムズ TCL1
ケイデンス・デザイン・システムズがISO 26262に準拠した包括的なTCL1(Tool Confidence Level 1)ドキュメントの提供開始を発表した。
ケイデンス・デザイン・システムズは2016年10月26日、ISO 26262に準拠した包括的なTCL1(Tool Confidence Level 1)ドキュメントの提供開始を発表した。自動車機能安全規格であるISO 26262準拠のTCL1ドキュメントの提供は「業界初」(同社)だとする。
同社アナログ/ミックスシグナルツールチェーンならびデジタルフロントエンドの設計検証フローがTCL1を達成していることが認証機関によって認証され、2016年末までにはデジタルインプリメーションとサインオフフローの評価も完了する予定としてる。認証機関はテュフ ズード(TUV SUD)である。
ISO 26262では、ソフトウェアの開発や検証/評価に用いるツールの認証に関する項目が存在しており、ツールの信頼レベル(TCL:Tool Confidence Level)に応じて、ISO 26262への準拠を証明する文書量が決まる。これは、より高いTCLを持つツールを用いる方が、規格準拠に要する作業が少ないことを意味している。
コンポーネントサプライヤーがASIL認証を得るためには、開発ツールがISO 26262基準に基づいて評価されている必要があり、認証を得たツールを導入することで、開発に関する時間短縮とコスト低減に寄与するといえる。同社では2016年末までに予定されている認証評価が完了すれば、30を超えるEDAツールがISO 26262準拠の開発ライフサイクルに貢献することとなり、自動車産業向けに幅広いツールサポートを提供することになるとしている。
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