IntelがPSG(FPGA部門)を独立させる本当の理由:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、10月に発表されたIntelのPSG(FPGA部門)独立について考察する。
なんか毎月毎月Intelの話ばかりしていて、連載がまるで“Intelプレイバック”みたいになっている気もするのだが、今月もIntelの話をご紹介する。お題は2023年10月4日に発表された、PSG(Programmable Solutions Group)の独立である。
PSGは旧AlteraのFPGA/SoCビジネスを中核とした部隊である。厳密に言えばFPGAビジネスの中でもIntel FPGA PAC(Programmable Acceleration Card:PCIeカードにFPGAを搭載してXeonから利用できるアクセラレータカード)は確かDCAI(Data Center and AI Group)のビジネスになっていると思うが、それ以外に関してはPSGが扱っている。
ではそもそもIntelは何故Alteraを買収しようと決めたのか? といえば、建前としては「将来のデータセンタービジネスにFPGAは欠かせないと判断したため」である。買収が完了したリリースには、
In addition to strengthening the existing FPGA business, PSG will work closely with Intel’s Data Center Group and IoT Group to deliver the next generation of highly customized, integrated products and solutions.
という表現があるように、将来のデータセンターにはFPGAが活躍すると考えていた。具体的に言えば、当時のXeonはまだ機械学習に最適化されていなかったし、クラウドのワークロードでは後にIPUとして登場するインフラ回りにFPGAを使う事が多かった。こうした用途を、これまでは顧客がAlteraなりXilinxからFPGAを購入して自分で構築する形になっており、ちょうど2014〜2015年ごろで言えばそうした用途にAlteraを使うケースの方が多かった。なのでFPGAを自社ビジネスに取り込もう、という発想そのものは間違ってはいなかったと思う。
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