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半導体不足は2023年も好転しないと見る理由大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。半導体不足との戦いだった2022年だったが、2023年には好転するのだろうか? その見通しを紹介する。

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 2022年を通してみると、基本的には半導体品不足との戦いだったのではないか? という気がする。当初予定していたチップのリードタイムがチューインガムのようにどんどん伸びていき、このままだと製品の納入に間に合わない、ということでチップを入れ替えてそれに合わせて設計し直したら今度はこちらも間に合わないとか、新規設計のためのサンプルチップのリードタイムが半年とか、何と言うか大変な状況が続いたのが2022年という気がする。

 おまけに年末になって、中国がCOVID-19に対する方針を切り替えた結果として、少し好転し始めていた中国の生産や物流がまたもやブレーキがかかるという、踏んだり蹴ったりの状況になっている。で、この状況は巡り巡ってエンドユーザーに直撃している。筆者の知人宅で風呂用の給湯器が壊れたのだが、その給湯器のコントローラが品不足(コントローラに搭載しているチップが入手困難)ということで最終的に代替品が届いたのはなんと3カ月後。知人はその間、風呂桶に投げ込み式ヒーターを入れて何とかしのいだとのことだが、そろそろ本格的に影響が全ての業界に出始めている感じだ。

 今どき電子回路を一切使わないという産業分野は存在しないし、電子回路を連続稼働させていれば壊れるのは必然である。壊れた場合、ある程度までは補修部品のストックで対応できるが、ストックの量がある水準を下回ったら新規で補修部品を生産しないと足りなくなる。で、現状はその新規の補修部品の生産が、チップ不足により満足に行えなくなって、結果補修部品のストックが底を尽いた状況がしばらく続いている格好だ。

 この状況は2023年に少しは好転するのだろうか? というのが今月のお題。結果から言うと、根本的な解決には程遠い状況という感じである。

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